米国のオープンソースAIラボであるArceeのCTO、Lucas Atkins氏は、中国製のオープンウェイトAIモデル(Moonshot AIのKimi K3やAlibabaのQwenなど)に対する懸念について、技術的観点から見解を表明しました。業界で議論されている中国製モデルの禁止論に対し、同氏は「これらのモデルが固有の危険性を有しているわけではない」と述べています。
Atkins氏は、企業が自社のデータセンターでこれらのモデルを運用する場合、他の一般的なオープンソースソフトウェアと同様に、適切なセキュリティテストや検査プロセスを経て利用すべきであると指摘しています。モデルのソースコードを検証し、組織が独自にポストトレーニング(微調整)を行うことで、バイアスや毒性、ハルシネーション(幻覚)のリスクを管理することは十分に可能であるとしています。
Atkins氏は、AIモデルに特定の悪意ある動作を内包させることは極めて困難であると説明しています。モデルはトレーニングデータから構築されるものであり、環境に応じて特定の動作をトリガーするようなバックドアを仕込むことは、理論上は可能でも現実的には非常に複雑で非現実的な工程を要します。同氏は、AIの性質上、予測不可能な悪意ある挙動を意図的に仕込むことは技術的に困難であるとの見解を示しています。
Arcee社は、中国製モデルを排除するのではなく、米国国内で優れたオープンAIエコシステムを育成することの重要性を強調しています。同社はオープンなAI技術の相互利用を肯定的に捉えており、競合他社と切磋琢磨し「より優れたモデルをリリースすること」こそが、健全な技術競争を促す最善の対抗策であると結論付けています。