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📊 Event Report

【株式会社BuddyCloud】ペット向け健康管理フックの流通PFで東南アジア市場を開拓

VENTURE PITCH ONLINE
2026/01/15
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慶應ビジネススクールから東南アジアへ:ペット市場のDXに挑むBuddyCloudの軌跡

皆さん、こんにちは。株式会社BuddyCloud代表の藤井 峻と申します。本日はよろしくお願いいたします。まず簡単に自己紹介をさせてください。

私は大学卒業後、電通に入社してオフラインメディアなどを担当しておりました。その後、ペットのスタートアップであるアニマインドジャパンでセールスマネージャーとして国内外のマーケティングを経験し、アイレプにてフードデリバリー大手ドアダッシュの日本進出などをサポートさせていただきました。その後、慶應ビジネススクール在学中の2023年11月29日にBuddyCloudを創業し、現在3期目を迎えています。

現在はJETROの「J-Star」プログラムや各種補助金に採択されており、特に今年はマレーシアなどの東南アジア向けグローバルサウス補助金も獲得して事業を推進しております。

アジア市場のボトルネック「ペット用品の輸出入の壁」を商社機能で突破する

私たちが解決したい課題は、アジア圏におけるペット用品の流通です。現在、日本や東南アジア市場では、欧米市場に比べて手に入る商品が非常に限られています。この原因は、輸出入における規制の壁や、各国のローカル事情です。ペット業界には大手専門商社が存在しないため、メーカーが個別に輸出入のハードルを越えるのは極めて困難です。

そこで私たちは、日本や東南アジアでまだ発売されていない優れた製品をカテゴリごとに買い集め、自社物流と商社機能を活かして流通させています。今年の4月からは、まずマレーシアでの展開を本格的に開始いたします。また、私たちは単なるセレクトショップやECプラットフォームにとどまらず、市場のデータを活かした自社商品の開発にも注力しています。

世界初の猫用慢性腎臓病検査も。1分で健康判定する「AI尿検査キット」の衝撃

私たちが独自開発しているプロダクトの中で、特に注力しているのが「AI尿検査キット」です。これは、飼い主様が自宅でリトマス試験紙をペットの尿に浸し、それをスマートフォンのカメラで撮影してアプリにアップロードするだけで、AIが1分以内に10項目の健康判定を行うシステムです。この仕組みによって、動物病院に行くのが遅れて気づかないうちに亡くなってしまうペットを減らし、未病の段階で病気の早期発見を促します。

さらに現在、慶應塾大学のダニエル教授と共同で、猫の慢性腎臓病を早期判定する家庭用検査キットの開発を進めています。実は猫の3頭に1頭が慢性腎臓病にかかると言われていますが、この病気の家庭用検査キットの提供は世界初となります。こちらは今年の5月にリリースを予定しています。また、このAI尿検査キットをスマート猫トイレと連動させ、尿が排出されたタイミングで自動的に健康判定結果が飼い主に届くというハードウェア連携の仕組みも構築中です。

オンライン診療と薬物販売の合法化を追い風に、マレーシアから仕掛けるデータプラットフォーム

なぜ私たちが日本ではなく東南アジア市場に注力しているのかというと、規制とビジネスモデルの相性によるものです。日本では、尿検査キットの結果をもとに飼い主に対して具体的な推奨行動(このフードが良いなど)を促す行為が獣医師法上の「診断行為」とみなされやすく、ビジネス展開に制約があります。一方、東南アジアではオンラインでの診療行為や、オンラインでの処方薬・療法食のオンライン販売が法律上認められている国が多く、よりスピーディーな事業展開が可能です。

なかでもマレーシアを最初の拠点に選んだ理由は、外資規制がない点や、東南アジア全体のハブ港として物流利便性が非常に高いためです。また、イスラム教国であるマレーシアでは犬よりも猫を飼う文化が根強いため、私たちの「猫用腎臓病検査キット」を中心としたアプローチと非常に相性が良いのです。現在、マレーシア獣医師会とも連携を進めており、私たちのアプリとオンライン診療機能を現地のアニマルヘルスケアのインフラとして提供する計画です。

シードラウンド2で1.6億円を調達中:18病院との提携をフックに1.6兆円市場へ挑む

私たちの強みは、この尿検査キットを「低コストでの顧客獲得(低CAC)」のフックとして活用し、得られた健康データ(生態データ・購買データ・尿画像データ)を蓄積していくデータ駆動型のビジネスモデルにあります。このデータをベースに、将来的には独自のペットフード開発や、ペット保険会社との連携による新たなサービス展開を目指しており、現地の大手企業からも非常に高い関心をいただいています。

さらに、独占販売権を持つ欧米ブランドのペット用品と自社の検査キットを組み合わせた「バーター取引」を行うことで、メーカー側にはチャネル拡大のメリットを提供し、自社は効率的かつ安価な製品調達を可能にしています。

トラクションといたしましては、マレーシア等においてすでに18の動物病院と提携を開始しております。さらに、2月からは現地の小売店とも提携し、1ヶ月限定のBuddyCloud特設ブースを構えてオフラインでの認知拡大をスタートしました。ターゲットとする東南アジアのペット市場規模は1兆6,000億円と試算しており、成長余力は極めて大きいです。

現在は私を含めた10名のスペシャリストが揃っており、今後の展開に向けてシードラウンド2としてトータル1.6億円の資金調達を進めています(プレバリュエーションは6.2億円、3月をデッドラインとして交渉中)。東南アジア展開やヘルスケア領域で強力なシナジーを生み出せるVC・CVCの皆様とぜひ連携させていただきたいと考えております。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答・フィードバック

中澤氏(コメンテーター):藤井さん、発表ありがとうございました。非常に興味深いアプローチですね。日本市場も一定の規模があると思いますが、なぜあえて東南アジア市場を主戦場に選んだのか、日本市場との比較も含めてもう一度詳しく教えていただけますか?

藤井氏:ご質問ありがとうございます。日本では過去10年間、ペットの飼育頭数は微増を続けていましたが、実は今年から飼育頭数が減少に転じることが確実視されています。これはブリーダーに対する飼育規制などが強化されたことが背景にあります。一方で、東南アジア市場はちょうど10年前の日本のような急成長期にあり、これから爆発的に飼育頭数が増えていく市場です。また、先ほど申し上げた「オンライン診療や医薬品販売の法規制」の違いもあり、海外で構築したこのデータ主導の先進的なビジネスモデルを、将来的には日本市場に逆輸入する形でアプローチしたいと考えています。

中澤氏:なるほど、規制の緩さと市場成長性を狙ったということですね。現地の動物病院やメーカーとの具体的な取引実績や提携状況について、もう少し具体的な数値を教えていただけますか?

藤井氏:はい。マレーシア現地では、すでに18の動物病院と提携をスタートしており、まさにこの1月・2月からトランザクションが出始めている段階です。またBtoBの展開としては、2月から現地の有力な小売店と共同で1ヶ月間、特設ブースを設けてテスト販売を開始したところ、現地で非常に大きな反響をいただいております。現在、現地メーカーや販売店から多くの引き合いをいただいており、オペレーション面で適切に回せるパートナーを順次選定している状況です。

中澤氏:素晴らしいですね。資金調達については、どのようなスケジュールで進められていますか?また、どのような投資家を希望されていますか?

藤井氏:現在、プレバリュエーション6.2億円で、1.6億円を目標とするシードラウンド2を動かしており、3月をクローズのデッドラインとして交渉を進めています。まさに本日もジャカルタにおりまして、現地で多数のVCの皆様と面談を重ねているところです。来週はジャカルタとクアラルンプールを行き来する予定ですので、東南アジアの現地ネットワークや物流・ヘルスケアのノウハウをお持ちのVC様、CVC様、エンジェル投資家の皆様からの出資を熱望しております。

コメンテーター:ありがとうございます。画面越しですが、藤井さんの風貌が写真の頃よりもさらに黒く精悍になられて、すっかり現地の空気と一体化している印象を受けました。

藤井氏:ありがとうございます(笑)。マレーシアやインドネシアで色々なピッチやプログラムに参加していると、現地のスタッフと間違えられて通り過ぎられることが増えてきました。しっかりと体当たりで現地にローカライズできている証拠だと思っております。この勢いで東南アジア市場を獲りに行きます。