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📊 Event Report

【Capsule Hub株式会社】1500億円の巨大「ガチャガチャ」市場をDX。NFCタグ後付け決済とデータ活用、圧倒的中国製造アセットで起こすゲームチェンジ

VENTURE PITCH ONLINE
2025/12/04
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トミカ博での違和感から始まった、ブラックボックス化した1500億円市場への挑戦

皆さん、改めましてこんにちは。Capsule Hub株式会社代表取締役の金谷徹と申します。本日は、ガチャガチャの「偶然体験」をテクノロジーとデータで再構築し、リアルエンターテインメントの新しい購買インフラを作る私たちの挑戦についてお話しさせていただきます。

まず、なぜ私がこのビジネスを始めたのか、そのきっかけからお話しさせてください。私には現在6歳と3歳の子どもがいます。おととし、家族で「トミカ博」に遊びに行きました。会場に入ってから出るまで、あらゆる体験や物販の決済がキャッシュレスで非常にスムーズに完結しており、私は「日本のDXもここまで進んだのか」と感動していました。

しかし、最後の最後、出口の物販エリアの横にあったガチャガチャコーナーにたどり着いた時、そこには昔ながらの両替機がポツンと置かれていて、長蛇の列ができていたのです。これほどテクノロジーが進化したイベント会場の中で、ガチャガチャだけが「現金・小銭しか受け付けない」というアナログな状態のまま取り残されている。この体験の分断と締まりの悪さに、私は非常に強い違和感を覚えました。

調べてみると、ガチャガチャの市場規模は現在約1500億円にまで成長しており、右肩上がりで伸び続けている非常に魅力的なエンターテインメント市場です。しかし、決済が現金に依存しているため、「今どの筐体がどんな売れ行きなのか」「在庫がどれだけ残っているのか」がリアルタイムで把握できず、スタッフが現場に行って中を覗き込むことでしか管理できないという、完全なブラックボックス状態になっています。

私たちは、この「製造、設置、体験、データ循環」という本来あるべきサイクルを、テクノロジーによって整え、業界の新しいスタンダードを構築するために、2025年4月にCapsule Hubを設立しました。

私はもともと電通グループに身を置き、テレビ局との協業ビジネスや広告ビジネスを経験しました。その後、ハードウェアとインターネットの融合で話題となった「popIn Aladdin(ポップインアラジン)」を提供するpopIn株式会社へ転職し、同デバイス内の広告事業を立ち上げました。同社が中国バイドゥ(Baidu)に買収された後は、バイドゥのメンバーとしてグローバルな協業に携わりました。その後、SNSマーケティング事業を展開するスマートシェアの経営を経て、昨年独立しました。プライベートでは、映画監督の紀里谷和明さんと映画プロデュースを共同で行い、世界レベルのエンターテインメント製作の真髄に触れるなど、ビジネスとエンタメの両輪でキャリアを築いてきました。

NFCタグ後付けで既存筐体を3分でスマート化。機会損失を根絶する Link の価値

私たちのソリューションの核となるのが、既存のガチャガチャ筐体をそのまま活用しながらキャッシュレス化とデータ化を実現するプロダクト「Link(リンク)」です。

現在、世の中で最も普及しているバンダイ様などのガチャガチャ筐体に対し、NFCタグをアタッチメントとして表面に貼るだけの仕組みを開発しました。ユーザーがスマートフォンでそのタグをタッチするだけで、PayPayなどの各種キャッシュレス決済画面が起動し、決済が完了するとガチャのロックが解除されて回せるようになります。

これは、筐体自体の外観や従来のコイン決済機能を一切邪魔しません。これまでの「小銭を持っていないから諦める」という100%存在していた機会損失(決済手段がないことによる離職・離脱)を、初期コストを抑えて回収することができます。

さらに、導入店舗やベンダーには管理画面を提供します。どの決済手段で、何時何分にどれだけ売れたのか、現在の在庫数は何個なのかがリアルタイムで可視化されます。

先日、あるプロスポーツチームのファン感謝祭(2日間)で私たちのキャッシュレス筐体を導入いただきました。従来のアナログなコイン式ガチャでは、イベント終了後にスタッフが重いコインを手作業で回収し、数えて集計するという膨大な手間がかかっていましたが、私たちのシステムでは管理画面をワンクリックするだけで、売上金額や個数、人気推移が1秒で可視化されました。この圧倒的な効率化とスムーズさに、球団関係者の皆様からも非常に大きな感動の声をいただきました。

ネット通販と連動した Dock と、人流を可視化する情報メディア Base の相乗効果

私たちのソリューションは、単なる既存筐体のキャッシュレス化にとどまりません。

スポーツチームの物販、イベント、音楽ライブ、ポップアップストアなどのマーチャンダイジング(MD)領域に向けて、イベント特化型のスマート筐体「Dock(ドック)」を提供しています。

これは単なる決済手段ではなく、Webプロモーションや人流コントロールと連動させることができます。例えば、「アーティストのネットショップで事前に5,000円以上購入したユーザーに対し、会場限定で1回無料で回せるデジタルクーポンを発行する」といった、オンラインからオフラインへのシームレスな人流誘導と顧客体験の設計が可能です。

また、私たちは業界全体のデータを可視化する独自のガチャ情報・検索メディア「Base(ベース)」をローンチしました。開始からわずか1ヶ月で1万PVを突破しており、日本国内のどこで、どんなガチャが、どのように回っているのかをマッピングして可視化しています。

Link や Dock の導入が進むほど、この Base に蓄積されるデータの精度は劇的に高まっていきます。日本中のガチャガチャの需要トレンドと在庫データがリアルタイムで一元管理される。これこそが、私たちのプラットフォームとしての最大の強みです。

500円上限の壁を突破し、中国のディズニー受託工場から生み出す「カプセルクラフト」のゲームチェンジ

蓄積されたトレンドデータをもとに、私たちは自社でオリジナルフィギュアやトイを企画・製造する「Craft(クラフト)」の事業も展開しています。

従来の現金式ガチャガチャは、硬貨の投入口の物理的制限から、どれだけ高くても「500円」や「600円」が上限価格でした。そのため、中身のフィギュアはどうしてもペラペラで軽い、低コストのものにならざるを得ないという限界がありました。

しかし、電子決済であれば上限価格の壁は存在しません。1,000円、1万円、極端に言えば10万円の設定も可能です。私たちは、ユーザーが手にしたときに「本当に価値がある」と感じる「重さ」とクオリティに徹底的にこだわった高級カプセルトイブランド「カプセルクラフト」を立ち上げました。

これを支えるのが、私のバイドゥ時代に培った中国国内の強力なサプライチェーンネットワークです。ディズニーをはじめとする世界的なIPのライセンスフィギュアを製造している最高レベルの現地金型・成形工場と直接提携しています。これにより、日本国内の通常のルートを介するよりも、圧倒的な高品質かつ低コスト、小ロットでのオリジナル製造と差別化を実現しました。「作れないものはない」と言い切るこの製造力こそが、私たちのもう一つの強力な武器です。

私たちは、来年2026年3月までに3億円の資金調達を進めていく計画です。データを軸に、国内外のガチャガチャ・エンタメ周辺企業とのM&Aを積極的に実行し、この1500億円市場を急ピッチでアップデートしてまいります。ご関心のある投資家の皆様、ならびにコラボレーションをご希望のIPホルダーや店舗運営者の皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。ありがとうございました。

質疑応答・フィードバック

コメンテーター(富山氏):金谷さん、ありがとうございました。ガチャガチャ市場が1500億円もの巨大市場に育っている一方で、これほど決済やデータ管理がブラックボックス化しているという課題の指摘は非常に面白かったです。有楽町のビックカメラのガチャガチャコーナーなども、いつも人だかりができていて圧倒されますが、あれがすべてキャッシュレス化されデータで繋がるとなると、非常に強力なビジネスですね。

プロダクトの一覧を見ますと、雑貨やアクセサリー、フィギュア、ノベルティなど6種類ほどのジャンルがホームページに並んでいますが、この中では具体的にどのような場面で、どういった属性の顧客にアプローチしていくのが最も効果的だとお考えですか?

金谷氏:ご質問ありがとうございます。実はホームページに記載している6つのジャンルにこだわりがあるわけではなく、結論から申し上げますと「何でも作れます」というのが私たちのスタンスです。

私たちの最大のアセットは、前職のバイドゥ時代の強力なネットワークで繋がっている中国のフィギュア・玩具製造工場です。ここはディズニーなどの世界最高峰のIPライセンス商品を製造している工場ですので、クオリティの高さはもちろん、価格面でも日本国内の代理店を通すより圧倒的に安く抑えることができます。

ですので、「何かオリジナルのノベルティを作りたい」「自社IPのフィギュアを作りたいが予算が合わない」というニーズがあれば、企画から金型製作、製造まで一気通貫で、圧倒的な品質と価格差をもってご提供できます。「販売する方法がわからない」という企業様に対しては、「では、私たちのキャッシュレスガチャ機をイベント会場に置きましょう」というように、川上(製造)から川下(体験・販売)まで、あらゆるニーズに対して何かしらのソリューションをワンストップで提供できるのが、他社にはない強みです。

富山氏:なるほど。製造コストを極限まで下げて高品質なものを作れるアセットがあり、それをキャッシュレスガチャという出口で販売できる。さらにデジタル化されているので、「この場所ではこういうものが売れる」というデータが蓄積されれば、立地ごとに置くべき商品を最適にレコメンドできるようになりますね。これまでは適当に小銭を入れて回していたものが、科学的に最適化される。

金谷氏:まさにその通りです。それがデータとキャッシュレスを組み合わせることで私たちが実現したい世界です。

また、日本のガチャガチャ文化は海外からも非常に注目されていますが、グローバル展開が進まない最大の理由は「現金(コイン)決済」と「防犯」の壁です。海外の街中に現金を溜め込む筐体を置くことは、盗難や破壊のリスクが非常に高いため困難です。しかし、私たちの Link や Dock のように、完全キャッシュレスであれば盗難リスクはゼロになります。私たちはすでに、メジャーリーグ(MLB)や海外のプレミアリーグといったスポーツチームとの連携やグローバル展開を具体的に構想し、アプローチを始めています。

富山氏:海外展開においてキャッシュレスが防犯対策になり、進出のドライバーになるというのは非常に大きな視点ですね。日本発のカルチャーが、御社のシステムを通じて一気に世界へ広がっていく未来が見えました。期待しております。

金谷氏:ありがとうございます。世界に向けて挑戦を続けてまいります。