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📊 Event Report

【株式会社DDR】スマホでいつでもどこでも離婚・相続手続きを完結。裁判の民営化と民主化に挑む「スマホ調停」の革新

VENTURE PITCH ONLINE
2025/12/18
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私自身の離婚調停での10ヶ月に及ぶ葛藤から生まれた「スマホ調停」のアイデア

皆さん、はじめまして。株式会社DDR代表取締役の的場令紋と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

我々の事業は、スマホ上でいつでもどこでも離婚や相続の手続き・話し合いを進められる「スマホ調停プラットフォーム」です。今年11月27日に正式ローンチいたしました。

この事業を立ち上げたきっかけは、昨年、私自身が経験した離婚調停にあります。離婚や相続という人生の重大なトラブルは、一生に一度か二度あるかないかのものであり、何から始めればよいのか情報が全く不足していました。さらに、実際に調停が始まると、次の話し合い(期日)が2ヶ月先であったり、お盆や年末年始には「裁判官が休みだから」という理由で調整すら進まなかったりしました。

私は当時、一刻も早く子供たちに会いたい一心で、必要な書類は2〜3日で提出していたのですが、裁判所の手続きを待つだけで1ヶ月、2ヶ月と時間が過ぎていきました。最終的に解決までに10ヶ月近くを要しましたが、その間は常に強い不安を抱えていました。

この、従来の調停制度に対する強い不便と不満を解消するために立ち上げたのが、本サービスです。
家庭裁判所でのリアルな調停は「平日の昼間(9時〜17時)」しか開催されず、仕事を休んで出向かなければなりませんが、スマホ調停であれば仕事終わりの平日の夜間や、土日祝日でも手続きを進められます。また、相手方と顔を合わすことなく、完全に非対面で合意書や契約書を作成することが可能です。私たちは、この「スマホ調停」を通じて、裁判・調停の「民営化」と「民主化」を実現し、世界ナンバーワンのODR(Online Dispute Resolution:オンライン紛争解決)プラットフォームを目指しています。

弁護士が中立アサインされる仕組みと、最短30分でのスピーチ入力

私たちのミッションは、世界中から身近な法的トラブルによる不安な期間を極限まで短縮し、皆様の心に穏やかさを取り戻すことです。調停期間中の強いストレスは、仕事の生産性を大きく低下させます。

そこで、DDRのプラットフォームでは、スマホ上で選択肢を選んでいくことで、誰でも簡単に調停の申し立てができる設計にしています。家庭裁判所に申し立てる場合、役所で4〜5種類の書類を集め、何度も同じ名前や住所を書き、自分に関係のない項目まで目を通す必要がありますが、イマチカではスマホから最短30分で入力が完了します。不要な入力項目はドリルダウンで非表示にし、名前と住所も一度入力すれば二度と書く必要はありません。

そして、期日の話し合いは対面ではなくZoomを活用します。調停役(調停人)には、中立公平な立場を持つプロの弁護士をアサインします。通常、裁判所では一般市民が調停委員を務めることが多いですが、私たちは弁護士が法的な観点を交えて落としどころを整理し、スムーズに合意書(契約書)の作成へと導きます。

現在、日本国内だけでも年間約20万件の離婚が発生していますが、その約9割が「口約束」だけで別れる協議離婚です。その結果、時間の経過や新しいパートナーの出現により養育費が途絶え、シングルマザー世帯の約8割(約80万人)が養育費を受け取れていません。年間約5,200億円もの養育費が未払いのまま放置され、これがひとり親世帯の貧困問題に直結しています。

しかし、事前に非対面で簡単にしっかりとした離婚合意契約書を作成しておけば、養育費の支払い率は格段に高まるという明確なデータがあります。私たちはこの問題を解決し、女性や子供たちを守るセーフティネットとしても機能させてまいります。

2億円の調達実績と、年間140万件の巨大な相続市場への展開シナリオ

私たちは離婚だけでなく、年間140万件発生している遺産分割(相続)や、少額債権回収など、身近な争い事の市場(SAM)を700億円規模と捉えており、まずはここから100億円近い売上高を確保することを目指しています。

日本の司法制度には、トラブルを抱えても実際に弁護士や裁判所に相談・アクセスできる人がわずか2割しかいないという「2割司法問題」があります。残り8割は、時間がない、費用が不透明で高い、地方から裁判所に出向く交通費がかさむ(相手が遠方に住んでいる場合の移動コスト含む)、そして何より心理的負担が大きいといった4つの壁によって諦めてしまっているのです。スマホ調停は、これらの壁をすべて取り払うことができます。

今年4月には、法務省から「民間調停」を行うための認証を無事に取得しました。現在、日本国内でこのODR領域に参入している企業は当社を含めて5社のみであり、いよいよ市場が立ち上がる段階です。

私たちのチームには、私自身が前職のモバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT(株式会社インフォリッチ)」でIPOを経験し、人の巻き込み方や資金調達、事業の爆発的な拡大ノウハウを持っています。
開発には、NTTデータグループで金融・インフラ等の高セキュリティプラットフォームを作ってきた井原を起用し、個人情報を極めて安全に保護するインフラを構築しています。
マーケティング(CMO)には、15年前に家事代行サービス「ベアーズ」で新しい生活文化を根付かせたプロを迎え、認知度向上に挑んでいます。
さらに、インフォリッチでCFOを務め、大手買収等をリードしてきたメンバーや、女性の視点を取り入れた複数の弁護士がチームに参画し、万全の体制を構築しています。

現在、プレシリーズAラウンドで約2億円の調達を完了しており、来年1月に向けて残りの調整枠を進めています。さらに、来年10月にはシリーズAラウンドでの大規模調達を予定しています。

このスマホ調停を誰もが当たり前に利用できるインフラへと引き上げるため、メディア露出の強化や、事業アライアンスを組んでいただける企業様、VCの皆様とのご縁をお待ちしております。ありがとうございました。

質疑応答・フィードバック

小川氏(コメンテーター):的場さん、ありがとうございました。ご自身の離婚調停での葛藤という生々しい体験から、調停の手続きをスマホで簡便にするというプロダクトを作られたのは非常に意義があると思います。

私自身、スタートアップ支援協会で60社以上に投資していますが、リーガルテックの領域にはまだ投資実績がありません。市場の可能性は十分に理解できたのですが、先行する2社との「競合優位性」がどこにあるのかを詳しく教えていただけますか?

的場氏:ありがとうございます。先行する2社は、いずれも本業を持つ弁護士の先生が社長として開発・運営されているため、デザインが文字中心で非常に難解かつ使い勝手が悪いという課題がありました。私たちはUI/UXにこだわり、誰でも直感的に操作できるデザインに徹底的にこだわっています。

もう一つの明確な差は、「ブランディングとマーケティングへのコミットメント」です。先行する2社は2020年のコロナ禍から展開していますが、5年経った現在でも認知度はわずか3%に留まっています。本業の傍らで運営されているため、マーケティングに資金とリソースを投下していなかったのが原因です。私は前職でのIPO経験を活かし、今回のスマホ調停をメインビジネスとして全力でコミットし、すでに日経新聞やフジテレビなどの大手メディア発表会を行い、認知度を一気に高める戦略をとっています。

小川氏:なるほど。プロダクトの使いやすさ(UI/UX)と、本気でスケールさせるためのマーケティング力が違いということですね。

正式リリースされたとのことですが、現在のユーザー登録や利用状況といったトラクションはいかがですか?

的場氏:11月27日にローンチし、現在約100名の方にユーザー登録(メール登録)をいただいています。そのうち、身分証明の偽造を防ぐための「本人確認」まで完了したのが約50名(約半分)です。さらにその半数がスマホ上での申し立て情報の入力を完了されており、現在10名ほどが、相手方のスマートフォンに招待リンクが送られ、返信・承認を待っているというステータスに進んでいます。

小川氏:なるほど、初期の手応えとしては順調に進んでいるようですね。

収益モデル(マネタイズ)の具体的な仕組みについて説明してください。

的場氏:はい。離婚調停については、イニシャルを抑えたパッケージ料金として、解決時に18万〜24万円の利用料を設定しています。
そして、私たちの真のターゲットである「相続」の領域(年間140万件発生)では、パッケージではなく、合意に達した相続額に対して3%の成功報酬手数料をいただくモデルを設計しています。
さらに、離婚や相続には必ず「不動産の処分(家を売る)」や「生命保険・損害保険の見直し」が発生します。これらの実務が発生した際に、提携する不動産会社や保険会社へ送客することで発生する仲介手数料や紹介料のバックも、極めて重要な収益源として見込んでいます。

小川氏:不動産の売却や保険見直しのバックまで組み込んでいるのですね。それは非常に合理的なマネタイズ設計です。

今後の資金調達はシリーズAですか?

的場氏:はい。現在、プレシリーズAの残り枠を1月までに完了させ、来年10月にシリーズAラウンドでの大規模調達を予定しています。

小川氏:スマホ調停というアプローチは非常に新しく、法的トラブルにアクセスできない8割の層を救う素晴らしい試みだと思います。マーケティングを強化し、多くの人に知ってもらえるよう引き続き頑張ってください。

的場氏:ありがとうございます。がんばります。