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📊 Event Report

【FULLLIFE株式会社】炎天下でも1時間溶けない。金沢大学発のイチゴポリフェノール技術が起こすアイスクリーム革命

VENTURE PITCH ONLINE
2025/12/04
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生クリームの固まりすぎという「クレーム」から生まれた、溶けないアイスの奇跡

皆さん、はじめまして。FULLLIFE株式会社代表取締役の豊田剛史と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

私たちは、2019年に創業したアイスクリームメーカーです。私たちの最大の特徴は、炎天下の屋外に置いておいても、約1時間ほど形が崩れることなく維持される「溶けないアイスクリーム」を展開している点です。

この技術は、たまたま生まれたラッキーパンチでした。私たちはもともと、石川県の金沢大学発の産学ベンチャーで、長年イチゴの機能性研究を行っていました。抽出した天然の「イチゴポリフェノール」を食品原料として、和菓子大手の虎屋様の「いちご羊羹」や、味覚糖様の製品などに供給していたのです。

ある日、これを見たパティシエの方から「イチゴポリフェノールを使ったケーキを作りたいのでサンプルが欲しい」と依頼を受け、お届けしました。すると、そのパティシエから「生クリームが固まりすぎてホイップできない!変な添加物を入れたのではないか」と強いクレームをいただいたのです。

不思議に思い、大学でその物性を詳しく調べたところ、イチゴポリフェノールには水と油を強力に結びつける「親水性」と「親油性」の両方の成分が含まれていることが判明しました。通常、アイスクリームや生クリームは、水と油の結合が解けて分離することで溶けて崩れます。しかし、イチゴポリフェノールを微量加えることで、水と油がしっかりと繋がり続け、高い形状維持力を持つことがわかりました。「これをアイスに入れたらどうなるか」と試したのが、現在の「溶けないアイス」の始まりです。

東京大学との共同研究でも、一般のアイスの3倍以上の時間、溶けずに形を維持できるデータが実証されています。炎天下でも30〜40分は全く型崩れしません。

配送コストを激減させ、自由な立体造形を可能にする「形状維持」のメリット

従来のアイスクリームビジネスには、溶けやすさゆえの構造的な課題がありました。
1つは、形状が「棒」や「カップ」といった単調なものに限られ、食べ歩き需要に応えにくいこと。もう1つは、製品の配送に発泡スチロールやドライアイスが不可欠で、極めて高いコールドチェーン(低温物流)コストがかかっている点です。

私たちの溶けないアイスは、これらの課題をすべて解決します。

まず、溶けないため「自由な立体デザイン」が作れます。例えば、水族館のイルカやペンギン、神戸中華街のパンダといった極めて細緻で可愛らしい形状のアイスを実現し、観光地での食べ歩きに絶大な効果を発揮しています。
さらに、配送時にドライアイスを必要としないため、物流コストを劇的に抑えられます。

また、安全性も非常に高いのが特徴です。かつてこんにゃくゼリーの窒息事故が社会問題になりましたが、私たちのポリフェノールアイスは喉に付着する性質(不着性)がなく、口の中で体温によって自然にサラリと溶けるため、喉に詰まるリスクがありません。そのため、安全性の高い子供向けおやつとしてはもちろん、病院や介護現場における「嚥下食・介護食」としても極めて高い評価をいただいています。

製造面においては、私たちは主に「障害者就労支援施設」の皆様にアイスの製造を委託しています。カラフルな立体アイスの製造には繊細な手作業が必要となりますが、就労支援施設で丁寧に手作りしていただくことで、100本単位といった極めて少ロットからのオリジナル製造が可能です。

ポケモン様や読売ジャイアンツ様などの著名なIP(キャラクター)ホルダーの皆様は、ライセンス提供において「社会貢献性」を非常に重視されます。私たちが障害者雇用と連携して生産しているというストーリーは、これら大企業のIPコラボを獲得する上での最大の強みとなっています。

観光地インバウンド市場から大手のB2B原料供給へ。5年後のIPOロードマップ

ビジネスモデルとしては、観光地やテーマパークの売店に冷凍庫をセットで無償設置し、オリジナルアイスを卸す形をとっています。

京都水族館や鳥羽水族館では、売店わずか1箇所だけで年間5万本(卸単価200円で売上1,000万円、小売店頭売上は3,000万円弱)を販売しており、店舗側にとっても極めて坪効率の良い高収益なビジネスとなっています。
これまでは夏の需要期に製造ラインが逼迫し、OEM先のキャパシティ限界から機会損失を出していましたが、専用製造ラインの整備が完了し、売れば売るだけ増産できる体制が整いました。

また、堀江貴文氏の番組「パーフェクトディール」への出演を機に、レオス・キャピタルワークスの藤野英人氏らからも即座に出資をいただくなど、資金調達も順調に進んでいます。

今後のグロース戦略として、観光地でのIPコラボアイスの拡大に加え、コンビニ(セブン-イレブン等)でのテスト販売、さらには嚥下食(介護食)の最大手である専門メーカーとアライアンスを組み、当社のイチゴポリフェノールを「溶けにくい嚥下食用原料」としてB2B供給するアライアンスも開始しています。これにより、2Cのキャラクター製品と、2Bの機能性原料供給のハイブリッドで売上を最大化します。

私たちは5年後のIPO(株式公開)をマイルストーンに掲げており、その際の売上計画として27億円、最終利益12億円を目標としています。観光地でのイベントアライアンスや、嚥下食分野での事業シナジー、ならびに次の成長フェーズに向けた資金調達パートナーの皆様とのご縁をお待ちしております。ありがとうございました。

質疑応答・フィードバック

コメンテーター(富山氏):豊田さん、ありがとうございました。イチゴポリフェノールという天然の機能性成分を活用して、溶けないアイスという非常にユニークなソリューションを作り上げた点は素晴らしいですね。神奈川・横浜などの観光エリアや、毎月のようにイベントを開催しているスポーツ局などと非常に親和性が高いと感じました。

このイチゴポリフェノール原料をアイスに使用する場合、味への影響はあるのでしょうか?「イチゴ味」に限定されてしまいませんか?

豊田氏:ありがとうございます。ポリフェノール自体には酸味や苦味がほとんどなく、使用する割合も極めて微量(数パーセント以下)なため、アイスクリーム本来の味を邪魔しません。そのため、バニラや抹茶、チョコレートなど、市場に流通しているあらゆるフレーバーの味を完全に再現することが可能です。

富山氏:なるほど、味の制限がないのは商品展開の上で非常に強いですね。冬場のアイスクリーム業界の落ち込みに対して、何か対策はされていますか?

豊田氏:夏場は水族館や観光地でのシャーベット・立体アイスが売上の中心ですが、冬場に向けてはホテルの高級バー等で使用される「溶けにくいカクテル用の氷」の提供や、大手のチョコレートブランドなどとのコラボによるクリーム系アイスの展開を行っており、季節波動を抑えるポートフォリオを組んでいます。

富山氏:介護食・嚥下食の領域への進出も書かれていますが、病院や施設でゆっくりアイスを食べさせたいというニーズは非常に強いです。この領域はどのように展開しますか?

豊田氏:自分たちで直接病院に営業をかけるのではなく、すでに医療・介護食市場で強固なシェアを持つ大手嚥下食メーカー様とアライアンスを締結しました。私たちはそこに機能性ポリフェノール原料を提供する「原料供給(B2B)」のビジネスを走らせており、専門事業者のチャネルに乗る形で、速やかに市場浸透を図る準備を進めています。

富山氏:障害者就労支援施設との連携による社会貢献性と、IPコラボの獲得力、そしてB2B原料供給という多角化の設計は非常にスマートですね。今後の上場に向けた成長が非常に楽しみです。

豊田氏:ありがとうございます。世界に向けて溶けないアイスの価値を届けてまいります。