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📊 Event Report

【illumista 株式会社】Excel手動管理と現場の崩壊を防ぐ。育休専業SaaS & 業務代行(BPO)のハイブリッド「WorkinG」がもたらす育休支援の最適解

VENTURE PITCH ONLINE
2025/11/20
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政府目標85%への圧力。激増する人事業務と現場の疲弊に直面する企業

皆さん、よろしくお願いいたします。illumista 株式会社代表取締役の富樫憲之と申します。本日は、法人向けの育休支援システム「WorkinG(ワーキング)」および、育休に伴う現場の欠員を補うオンラインアウトソーシング(BPO)事業についてご紹介をさせていただきます。私たちは今年ローンチしたシードスタートアップであり、来年初頭の資金調達に向けて動いております。

現在、日本社会は少子化の危機に直面しており、国、社会、そして個人からの「育休取得」の推進圧力がかつてないほど強まっています。

政治の観点では、毎年のように育休関連の法改正が行われ、企業に対して男性育休の取得義務化や推進の圧力がかかっています。個人の観点でも、現在の大学生の約7割が、男女問わず「将来育休を取得したい」と希望しています。これに伴い、日本の男性育休取得率は約40%まで上昇しました。

さらに政府は、2030年までに男性の育休取得率を85%に引き上げる目標を掲げており、その際には「90日間の取得」が当たり前になると言われています。企業の労務管理において、育休対応は「避けて通れない最重要課題」となっています。

しかし、この変化の真っ最中において、企業の労務担当(人事)は極めて深刻な課題に直面しています。

第一に「事務作業の激増」です。対象者の選定、取得フローの管理、日程の調整、給付金の試算など、やらなければならない手続きが劇的に増えています。驚くべきことに、これらの育休日程やタスクの管理機能は、既存の主要な勤怠管理SaaSや労務管理SaaSには組み込まれていません。そのため、大企業から中小企業に至るまで、ほぼ100%の企業が未だに「Excel」や手書きのリストによる手動管理を行っています。

第二に「社内への案内と問い合わせ対応の負担」です。法改正の内容を正しく反映した案内資料の作成や、個々の従業員に合わせた育休期間・給付金の個別計算と説明を人事が手作業で行っており、莫大な問い合わせが人事に集中しています。

そして第三に「現場の崩壊」です。メンバーが長期間抜けることで、現場の同僚やチームの負担が激増し、職場の生産性低下や二次的な離職リスクに繋がっています。システムで手続きを効率化するだけでは、この「現場の穴」を埋めることはできません。

人事業務を65%削減するAIQプランと、Excel手動管理からの完全脱却

私たちは、この「人事の事務負担」と「現場の欠員」という2つの課題を同時に解決する唯一のソリューション「WorkinG」を提供しています。

WorkinGは、既存のSaaSではカバーできなかった「育休予定者の日程管理」および「タスク管理」をシステム化し、手動管理からの完全脱却を実現します。

主要機能として、AIを活用した「AIQ(アイキュー)プラン」を搭載しています。個々の従業員の出産予定日や希望を入力するだけで、最適な育休取得スケジュールや、取得期間中に支払われる給付金(お金)の金額シミュレーションをAIが自動で提案します。また、法改正に対応した社内案内資料や会社の取得方針資料などもシステムが自動で毎年更新するため、人事が個別に対応する手間をすべて省くことができます。

これにより、導入企業のシミュレーションでは、育休に関連する人事業務の約65%を削減できることが実証されています。例えば、労務担当者が2名で毎日1時間ずつ行っていた育休関連業務を効率化することで、年間約136万円の直接的なコスト削減に繋がります。人事担当者は、煩雑な書類仕事から解放され、従業員の満足度向上や定着支援といった、より本質的な業務に向き合う時間を作ることができます。

妊娠報告を最速で検知し、現場の穴を埋めるオンラインアウトソーシング(BPO)

私たちの最大の差別化ポイントであり、他社が真似できない強みが、SaaSシステムと「オンラインアウトソーシング(BPO)」を組み合わせたハイブリッドモデルです。

SaaSがもたらすもう一つの大きな価値は、「社内で誰が、いつ、どのくらいの期間、何の業務で抜けるのか(妊娠報告データ)」を、他のどの人材紹介会社や派遣会社、一般的なBPO事業者よりも圧倒的に早い超初期段階で検知できる点にあります。

通常、育休で人が抜ける際、人事担当者は現場に対して「現場のチーム内でなんとか埋めてほしい」と頼むしかありません。しかし、現場も手一杯なため、これが現場の疲弊と離職に直面する大きな要因になっていました。

私たちは、WorkinGのシステムを通じて欠員情報を最速で把握し、その抜ける従業員の業務内容に合わせて、私たちのオンラインアウトソーシングチームがその期間だけ業務を遠隔で代行(BPO)するサービスをワンストップで提供します。現場の同僚に負担を強いることなく、シームレスに業務の穴を埋め、職場の生産性を維持することができます。

世の中の競合として、社労士や人事コンサルタントは「制度(ルール)の設計」はしてくれますが、日々の煩雑な実務の運用はやってくれません。また、一般的な労務SaaSは「手続きの効率化」はできても、現場の業務代行(BPO)までは提供しません。私たちは、唯一の「育休専業SaaS & アウトソーシング」の事業者として、この両方を網羅し、人事と現場の双方を救う独自のポジショニングを確立しています。

すでに導入いただいている企業様からは、人事業務の効率化に加え、従業員へのきめ細やかな自動通知機能(タイミングに応じた手続き案内など)による従業員満足度の向上を高く評価いただいています。

育休から「介護」「メンタル」「妊活・生理」へ。10兆円の子ども市場を見据えたライフイベントPFへ

私たちは、この育休で構築した「SaaS+業務代行」の強力なモデルを、他の深刻なライフイベント領域へも迅速に横展開していきます。

次に目指すのが、育休と同様に多くのビジネスパーソンが直面する「介護休職」の領域です。さらに、メンタル休職や、妊活・不妊治療、生理休職など、企業内における「休職と現場の欠員」が発生するあらゆる領域に対して、当社のシステムと代行ソリューションを適用します。

さらに、子どもが生まれるという人生最大のイベントデータを初期から保有しているため、将来的には子ども関連の10兆円規模の巨大市場に対して、広告、金融、保険などのサービスをダイレクトに届ける「ライフステージ・プラットフォーム」へと進化させます。

私たちは単独でのグロースだけでなく、アライアンスを重視しています。SmartHR様やマネーフォワード様といった主要なローム・会計SaaSとのAPI連携を進め、社労士事務所や人材会社様を介したOEM展開など、エコシステムと協調しながら急ピッチで面を獲得していきます。

私はもともと、シードVCであるサムライインキュベートの出身であり、そこから独立しました。私たちのチームには、日本の人事・労務領域のトップクラスの知見を持つ顧問や、East Ventures様などの著名な投資家陣が参画しています。

少子化と労働人口減少という日本最大のペインを解決し、すべての働く人々が豊かに働き続けられるインフラを共に作ってくださる投資家、ならびに導入をご希望の企業の皆様からのご連絡をお待ちしております。ありがとうございました。

質疑応答・フィードバック

コメンテーター(伊藤氏):富樫さん、ありがとうございました。私たちが若い頃は「産休・育休を取るのは女性だけ」というのが社会の一般的な常識でしたが、今や男性も育休を取るのが当たり前の時代になり、意識が大きく変わったと実感しています。

さらにお子さんを持つ年代が上がっていることもあり、社内の主戦力となる中堅社員が急に半年や1年単位でいなくなることは、中小企業やスタートアップにとって極めてクリティカルな死活問題です。需要は間違いなく非常に大きいと感じますが、あえて他社が手を出しにくい「育休専業」という非常に狭いバーティカルな領域に絞って勝負される、御社ならではの強みや勝算はどこにありますか?

富樫氏:ご質問ありがとうございます。他社との違いとして、例えばe-learningを提供する会社や、ストレスチェック、福利厚生を提供する会社などが「片手間の機能」として育休管理を出しているケースはありますが、彼らの本業は別にあるため、毎年のように激しく変わる育休関連の法改正や、現場の複雑な「取得フローの運用」に最適化された細かい機能開発を追従できていません。

私たちはこの「育休・休職の課題解決」だけに100%フォーカスしているため、他社が絶対に真似しないレベルで、実務の現場に寄り添った細かいフロー設計と法改正の自動アップデートをSaaSとして実装しています。

そして最大の勝算は、システムの裏側で「業務代行(オンラインBPO)」という、普通のSaaS企業がやりたがらない泥臭いアセット(人)をあえて自社で持っている点です。システムによる効率化だけでは、現場の「人手不足」という根本課題は絶対に解決できません。私たちは、妊娠・育休のデータを最も早く検知し、抜ける人の業務を速やかに代行する仕組みを一体で提供することで、「手続きの効率化」と「現場の労働力補完」を両立しています。この大胆な二正面作戦に挑戦できるのは、専業である私たちの最大の強みです。

伊藤氏:なるほど。社労士やコンサルタント、そして既存のロームSaaSがそれぞれ分断していて手を出さなかった「実務運用と業務代行」のギャップを、御社が一手で埋めるわけですね。

もう一つ、人事のこういう課題は、他の領域でも応用できそうな気がします。今後は育休以外のどのような分野を取り込んでいきたいとお考えですか?また、M&Aやアライアンスなどの出口戦略についてはどうイメージされていますでしょうか。

富樫氏:はい。まさにご指摘の通りで、この「ライフイベントによって突然人が抜け、現場に穴が空く」という構造的ペインは、育休以外にも多数存在します。

私たちはまず、社会問題化している「家族の介護による離職」や、メンタル不調による休職、妊活・生理休暇といった領域へこのモデルを横展開します。これらは国が新しく制度(支援)を次々と作っているものの、企業側が運用の仕方に頭を抱えている領域です。

出口戦略やスケールに関しては、私たちは自力だけで急激に大きくなろうとは考えていません。米国では「Lira(リラ)」のような、福利厚生やヘッジを管理する企業が、給職・ライフイベント管理SaaSを買収する動きが活発です。日本国内においても、SmartHR様などの主要SaaSプラットフォームとのAPI連携を通じてユーザーベースを拡大することや、全国の社労士事務所、人材会社と提携して私たちのBPOを担いでもらうなど、他社と連携・共生しながら面を取っていくのが、最も速く賢い勝ち筋であると考えています。

伊藤氏:なるほど、SaaS間のハブとなり、アライアンスを通じて急速にB2Bのタッチポイントを広げるモデルですね。日本の労働人口が減少する中で、人への投資とケアを支える素晴らしい事業だと思います。期待しております。

富樫氏:ありがとうございます。しっかり事業を推進してまいります。