私たちは、教える側(熟練者)が空間にメモを残すことで、その場に熟練者がいなくても、学ぶ側(非熟練者)の耳元で寄り添い伴走支援を行う「タスク支援技術(記憶の代替)」を提供しているスタートアップです。
現場のあらゆる指導シーンにおいて、「これやっといて」と事前に研修で動画を見せたり指示を出したりしても、非熟練者にとっては情報量が多すぎて短期記憶からこぼれてしまい、結果的に「覚えていない」「ミスが起きる」ということが多々あります。
そのため、現場では店長やマネージャーといった熟練者が「つきっきり」で教えなければならず、彼らは自身の管理業務をこなした上で、残業をつけて指導にあたるなどして疲弊しています。指導する側もされる側も強いストレスを感じ、結果として飲食やサービス、製造現場などでは「1年以内に7割が辞めてしまう」という深刻な離職問題に繋がっています。
私たちは、この「つきっきり指導」をデジタルで無人化します。これにより、指導のために発生していた膨大な人件費を抑制し、これまで指導に奪われていた「1週間に約30時間」もの伴走時間を完全に解放します。
空間上に、わずか15秒程度の短い「言葉の粒(タスク)」をスマートフォン等で入力・配置するだけです。非熟練者がスマートウォッチなどのウェアラブルデバイス、またはスマートフォンやタブレットを身につけてその空間に近づくと、そのタスクが静止画とともに耳元から伴走音声として自動的に流れます。
例えば、工場の現場におけるデモンストレーションを挙げてみましょう。
作業者が特定のエリアに入ると、
「今日はここで作業します。まずはじめに、手前にあるネジを加工してください。終わったらそれを右に回して完了です」
というように、その作業位置に必要な指示が必要なタイミングで15秒ごとに順次、ピンポイントで耳元に届きます。
事前に徹底的な学習やマニュアルの暗記をしなくても、身体を動かしながらその場で自然に仕事を覚えていくことができる「DIY型のアクティブ・ラーニング」を実現しています。
私たちのプラットフォームであれば、現場の人間がその場で10秒でタスク音声と写真を組み合わせてマニュアルを作成できます。
現場のやり方が変われば、その場でサクッとテキストを書き換えて自由更新(アップデート)できるため、使えば使うほど現場に馴染んでいきます。動画と違って見やすくなっただけのツールではなく、タスクそのものを自律的に解消・支援できるため、現場の定着率が極めて高いのが特徴です。
特に最近引き合いが強いのが「ホテル業界」です。ホテルの現場では、清掃やベッドメイク、客室管理など細かなタスクが1,000項目以上にのぼり、教える側のリソース不足が深刻です。LOOVICの導入により、言葉の通じない外国人スタッフであっても、耳元からの母国語音声指示によって初日から迷わず高いクオリティで清掃業務をこなせるようになります。
私たちは、この「空間認知と言葉の配置」に関する強固な特許技術を国内外で取得完了しており、他社の追随を許さないビジネス基盤を構築しています。これにより、将来的な海外展開への障壁もクリアしています。
これはZoomと同様の仕組みであり、使う側が「自分もこれを使って指示を出したい」と自然に作る側に回ることで、営業リソースを最小限に抑えながら口コミで自律的にバイラル成長していく「PLG(Product-Led Growth)」モデルを確立しています。
現在、すでに50社以上の導入商談パイプラインが稼働しており、東京都のPoC実証プログラム「POC Ground Tokyo」にも採択され、1,000万円枠での実証実験を進めております。
私たちは、このPLGモデルによる圧倒的なスピードで市場を拡大し、2029年に売上高48億円でのIPO(新規公開株)を目指しております。
将来的には、熟練者のノウハウや「暮らしの知恵・DIYスキル」などを空間に配置して販売できる、全く新しい「オンライン・スキルシェア・マーケットプレイス」としての展開も視野に入れています。人と人が時空を超えて寄り添える未来を、LOOVICで創り出してまいります。ありがとうございました。
富山氏(コメンテーター):山中さん、ピッチありがとうございました。以前、別の機会に山中さんのピッチをお聞きしたことがありますが、プロダクトがさらに進化し、フォーカスがバッチリ当たってきていて非常に嬉しく思います。
これはまさに、現在の深刻な人材不足を解消する「最強のツール」ですね。今回は製造業の事例が多く語られましたが、最近私が相談を受けるなかで、特にホテル業界や建設建築など、専門性の高いタスクが多すぎて離職が相次ぐ現場が多いです。こうした業界への導入も可能でしょうか?
山中氏:ご質問ありがとうございます。まさにおっしゃる通りで、ホテル業界や建設現場は私たちの最も得意とする「ホワイトスペース」です。従来の動画マニュアルは見るだけで終わってしまいますが、私たちのツールは空間に近づくと耳元に必要なタスクだけが瞬時に流れるため、1,000項目以上の複雑な作業でも現場が疲弊せずに引き継ぐことができます。使えば使うほど自動更新されて現場に馴染んでいくため、すでに複数のホテル事業者様ともお話が進んでおります。
富山氏:なるほど。これはどの程度のコスト削減や業務効率化が見込めるのでしょうか。
山中氏:外注で動画を作る場合は1本200万円かかりますが、私たちのPLGモデルであれば、現場がDIY感覚でゼロコストからサクッと作り始めることができます。また、国内だけでなくすでに海外特許も取得しておりますので、海外スタッフの教育コストも大幅に削減可能です。
富山氏:特許がしっかり取れているのはグローバル展開において大きな強みですね。例えば、神奈川の景浜工業地帯のような製造業の集積地で、商工会議所や地元の金融機関と連動して個別の製造業向けにハンズオンで導入を進めていくようなアプローチも可能ですか?
山中氏:はい、可能です。基本的には現場が自分たちで簡単に作れるDIY型ですが、初期導入時には個別のカスタマイズ支援(ハンズオン)も行っております。金融機関や商工会様を通じてリーフレットを配布いただき、オンライン説明会とセットで一気に現場へ展開するスキームも構築済みです。
富山氏:プラットフォームでの横展開と、個別企業へのハンズオンという両輪があれば、数千万・数億単位の大規模プロジェクトとしての受注も狙えそうですね。困っている現場はたくさんありますので、ぜひ応援しております。
山中氏:ありがとうございます。しっかり売上を作ってまいります。