10日間のダナン滞在を終え、帰国の途についています。大学、政府機関、起業家たち──
あらゆるレイヤーで感じたのは、この街の圧倒的なエネルギーと「ピッチ」が持つ国境を超えた可能性でした。
ベトナムの中部に位置するダナンは、ホーチミンやハノイに次ぐ第三の都市として急速に成長を遂げています。人口約120万人のこの街には、若さと活気が溢れ、IT産業を中心に海外からの投資も急増しています。空港から市内中心部まで車で15分というアクセスの良さも、ビジネス渡航先としての大きな魅力です。
なぜダナンなのか── 3回目の訪問で確信したポテンシャル
ダナンは今回で3回目の訪問です。訪れるたびに街の勢いが増しているのを肌で感じます。前回の訪問から半年ほどしか経っていないにもかかわらず、新しいビルが次々と建設され、カフェやコワーキングスペースも目に見えて増えていました。
若い人が多く、とにかくエネルギッシュ。ベトナムの平均年齢は約31歳と非常に若く、ダナンでもその活力を街のあらゆる場所で感じます。IT企業が集積する「ダナン・ソフトウェアセンター」は、10年以上の歴史を持つ旧施設に加え、再開発エリアに巨大な新施設が稼働を始めています。IT・ロボティクス企業がひしめくこの環境を目の当たりにすると、ダナンが「アジア最大のIT都市」を本気で目指していることが伝わってきます。日本を含む海外のIT企業も入居可能とのことで、現在は具体的な条件について詳しくお話を伺っているところです。
ダナンソフトウェアパーク2 ── 再開発エリアに建設された巨大なIT企業集積施設
今回は、ダナンの起業家コミュニティ「FBC(First Penguin Business Community)」を運営するパートナーの向井さん、ブーさんにサポートいただき、大学・政府機関・起業家とのディスカッション、今後の連携タスクやスケジュールについて集中的に話し合ってきました。
ソフトウェアパーク内にて ── 独自のAIを活用した見守りサービスを開発する起業家との意見交換
ダナンでAI開発を行うMPグループさんと
ブランディング・コワーキングを手がける
enostaのTrang Tran社長たちと
enostaの皆さんと
ダナン経済大学── 学生ピッチに驚かされる
ダナン経済大学では、学長をはじめとする大学幹部と対話を行いました。非常に温かい歓迎を受け、名刺やお花、連携の証として盾もいただきました。大学側からは、日本のスタートアップ・エコシステムとの連携に対する強い関心が示され、学生のインターンシップや共同プログラムの可能性についても積極的に議論が交わされました。
ダナン経済大学での対談の様子
ダナン経済大学での対談
ダナン経済大学にて ── スタートアップ推進の部門長達との集合写真
ダナン経済大学の学長と ── ベトナムの伝統的な盾をいただきました
中でも印象深かったのが、学生によるピッチです。テーマは、学生のスキルアップを図り、そのスキルレベルを企業と接続するHRテック分野のアプリ。日本語の挨拶から始まったプレゼンテーションは、非常に上手でエネルギッシュでした。市場調査に基づいた課題設定、ユーザーインタビューを経たプロダクト設計、マネタイズモデルまで、完成度の高い内容に正直驚きました。
ダナン経済大学の学生によるピッチ ── HRテック分野のアプリを提案
「ピッチ」には国を超えた共通の価値と可能性がある── これは今回の滞在で得た最も大きな発見の一つです。言語や文化は違っても、自分のアイデアを情熱を込めて伝えること、それを真剣に受け止める場があること。その本質は万国共通でした。彼らのピッチを見ていて、VPOのオンラインプラットフォームを通じて、こうしたベトナムの若い才能と日本の投資家・メンターをつなぐことができたら、どれだけ大きなインパクトを生み出せるだろうかと強く感じました。
ダナン師範大学── スタートアップハブと学生たちのリアルな声
ダナン師範大学では、学内に設置された「スタートアップハブ」という施設を訪問しました。施設長の方とお会いし、ハブの活用方法や、どのような学生・起業家が参加しているかについて意見交換を行いました。このハブは、大学が起業を志す学生を支援するために設けた専用スペースで、メンタリングやイベント開催など多岐にわたるプログラムが用意されています。
訪問日はそれほど学生が多くなかったのですが、後日の土曜日の午前中に、改めて学生10名ほどとの対話の場を設けました。非常にフランクな雰囲気の中、彼らがどのような課題を感じているのか、何を目指しているのかをリアルに聞くことができました。日本市場への関心が高い学生も多く、「日本語を学んでいるので、日本のスタートアップと一緒に何かやりたい」という声も聞かれました。この「生の声」こそが、連携を進める上での最大の財産です。
ダナン師範大学の学生たちとの対話 ── 課題やビジョンについてリアルな声を聞く
ダナン師範大学の学生たちとの集合写真
政府機関「DISSC」との対談── 国を挙げてスタートアップを後押し
ダナン市が主導するスタートアップ支援の政府機関「DISSC(Danang Innovative Start-up Support Center)」のセンター長と対談を行いました。
DISSCの社長と各大学の先生方との意見交換
DISSCはダナン市のスタートアップエコシステム全体を推進する行政機関です。インキュベーションプログラムの運営、国内外の投資家とのマッチング支援、そしてDAVASのような大型カンファレンスの企画・運営まで、幅広い活動を展開しています。
非常に印象的だったのは、そのスピード感と当事者意識の強さです。行政の枠にとどまることなく、スタートアップの最前線に自ら立つ姿勢が随所に感じられました。タスクやスケジュールを決める際にも、「一緒に、一致団結して作っていこう」という熱いメッセージをいただくことが多く、深く感銘を受けました。日本の行政機関との連携方法についても具体的なアイデアが出され、双方向の支援体制を築いていけるという確信を持ちました。我々もその期待に応えていきたいと思っています。
DAVAS── ダナン発、世界へ向かうスタートアップカンファレンス
5月後半、ダナンで「DAVAS(Da Nang Venture and Angel Summit)」というスタートアップカンファレンスが開催されます。ダナン市が全面的にバックアップしており、世界各国から投資家やスタートアップが集結する、非常に熱量の高いイベントです。
DAVASでは、投資ピッチング、ゴルフトーナメント、1on1マッチング、Web3サミットなど多彩なプログラムが予定されています。国内外から50以上のプロジェクトが選出され、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家との深い接続が図られます。
今回の対談では、DAVASでの連携、日本とベトナムの双方向のコラボレーション、そして私自身のピッチ領域での協力について意見交換を行いました。
私自身も5月末に参加を予定しており、可能であればブースを出展しながら積極的に関わっていきたいと考えています。
ダナンのポテンシャル── 行政×スタートアップの本気度
DAVASはダナンを軸として、世界各国から投資家やスタートアップが集まる場です。ダナンという街を「アジア最大のIT都市」にしようという政府の方々の、心からの強い意志を肌で感じました。
先述のダナン・ソフトウェアセンターでは、IT・ロボティクス企業の方ともお話しし、日本のIT企業であれば施設を借りることができるという話を具体的に伺っています。ハードウェア(施設)とソフトウェア(行政支援)の両輪が揃っている── それがダナンのスタートアップエコシステムの強みです。
VPOが目指すもの
VPOでは、日本の起業家の活動基盤の構築やグローバル展開を行う基盤、国を超えた活動ができるプラットフォームを作り、様々な国との双方向の支援を行うことを目指しています。今回のダナン滞在を通じて、そのビジョンが単なる構想ではなく、現実的に実現可能なものであるという手応えを得ることができました。
特に、ダナン側のパートナーたちが見せてくれた熱意と行動力は、国際連携を進める上で非常に心強いものでした。言語の壁はあっても、「起業家を応援したい」「良いプロダクトを世界に届けたい」という想いは共通しています。VPOはオンラインピッチというフォーマットを武器に、こうした国境を超えたつながりをさらに深めていきます。
個別の詳細に関しては情報量が多いため、また改めて発信できればと思っています。ダナンとの連携はまだ始まったばかりです。5月のDAVAS参加を皮切りに、日本とベトナムをつなぐ新しいピッチの形を模索していきますので、引き続きご注目ください。
🎤 VPOピッチに登壇しませんか?
VENTURE PITCH ONLINEは、起業家が投資家・支援者の前でピッチを行うオンラインイベントを定期開催しています。
日本語・英語での登壇が可能です。まずはお気軽にご応募ください。
🇻🇳 DAVASに一緒に行きませんか?
5月末のDAVASに興味がある方、ダナンのスタートアップエコシステムを体感したい方は、ぜひご一緒しましょう。
日本のスタートアップの方々を多くお連れしたいと思っています。