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📊 Event Report

AssistMotion株式会社:2.9kgの衣服型ロボット「curara」が描く、誰もが自分の足で自立して歩き続けられる超高齢社会の未来

VENTURE PITCH ONLINE
2026/01/29
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衣服のように着るロボットが、自立して歩く喜びを支える

皆さん、こんにちは。AssistMotion株式会社代表の橋本 稔と申します。本日はよろしくお願いいたします。

私たちは、「衣服のように着ることのできるロボットを用いて、誰もが自分の足で歩くことのできる社会を実現する」というビジョンを掲げ、信州大学繊維学部発のロボットベンチャーとして活動しています。

私たちは、信州大学において長年ロボットの研究開発を続けてまいりました。その最大の強みは、硬くて重い従来のロボットではなく、衣服のように身につけられる軽量でソフトなロボットのシステム設計技術です。2017年にこの研究成果を社会実装するために起業し、現在は主に歩行アシストロボット「curara®(クララ)」の製造と販売をメイン事業として展開しています。

現在の超高齢社会において、3,600万人を超える高齢者のうち、要介護・要支援認定を受けている方が約600万人に達しています。これに伴う国の介護給付費用の増大は、国の財政を強く圧迫する大きな社会問題です。この課題を解決するためには、テクノロジーを活用して「自分の力で自立して生活できる高齢者を増やすこと」が極めて重要です。

現在市販されている移動支援機器として「電動車椅子」などがありますが、これは歩くことが困難になった方のための機器です。私たちは、まだ歩ける力を持っている高齢者が車椅子に頼るのではなく、自身が持つ歩行能力を最大限に活かして自立生活を長く続けられるようにしたいと考えています。電動車椅子と競合するのではなく、高齢者の現在の歩行レベルや自立度に合わせて、最適なロボットテクノロジーによる支援(生活動作支援)を提供することを目指しています。

バッテリー込みで2.9kg。違和感のないアシストを実現する「同調整御法」の特許技術

私たちの主力プロダクトである「curara(クララ)」は、股関節と膝関節の左右に薄型のモーターを配置し、歩行時の関節の動きをサポートする歩行アシストロボットです。

2008年から開発を開始し、小型化・軽量化・取扱いの容易さを目指して何度も試作と改良を重ね、2021年に製品化を達成しました。最大の特徴は、バッテリーを含めて全体でわずか2.9kg(一部の練習用モデルでは2.3kg)という圧倒的な「軽さ」です。従来の歩行アシストロボットは10kg以上あるものが一般的でしたが、curaraは衣服のように軽々と装着することができます。

また、装着者がロボットを身につけて歩く際に、動作のズレによる違和感や窮屈さを与えないために、「同調整御法」という独自の制御技術を確立しました。これは装着者の動きの意図をセンサーで感知し、違和感のないスムーズなタイミングでモーターを同調させる制御方法であり、特許を取得しています。

これまでは、主に病院や介護施設などのリハビリ室において、脳卒中や運動器疾患の患者様が自然な歩行フォームを取り戻すための「歩行練習支援」用として導入されてきました。現在は全国の施設に導入されており、1台あたり174万9,000円(税込)で提供させていただいています。さらに、大人用だけでなく、「子ども用の歩行アシストロボットも欲しい」というご家族や医療機関からの強い要望を受け、小児用curaraの開発も進めています。足の不自由な人気キッズYouTuberの「りおなちゃん」の歩行練習サポートにも活用いただき、YouTubeで1,900万回以上の再生数を記録するなど大きな反響を呼んでいます。この子ども用curaraの製品化に向けたクラウドファンディングを3月から開始する予定です。

膝パーツを外した1.9kgの「生活支援モデル」開発と将来の展望

私たちの次の大きな挑戦は、病院でのリハビリ用だけでなく、高齢者が自宅や屋外で日常的に身につける「自立・生活支援用」ロボットの製品化です。

日常生活での使いやすさをさらに追求するため、歩行の基本となる股関節のアシストのみに特化したモデルを開発しています。膝の関節パーツを完全に取り外すことで、総重量はわずか1.9kgまで軽量化されます。これにより、さらに着脱が簡単になり、長時間の外出でも疲れずに装着できるようになります。また、現在のリハビリ用(約175万円)から劇的なコストダウンを行い、電動車椅子並みの手の届きやすい価格帯での提供を目指し、介護施設などで数多くの実証実験を繰り返しています。

私たちは現在、この小児用ロボットのクラウドファンディングの成功を目指すとともに、生活支援用ロボットを早期に量産化・製品化し、事業を共同で推進していただける事業会社様を募集しています。また、これらのWeb3技術を用いた社会実装とプロダクトのグローバルな展開に向けて、資金調達(VC、CVC、エンジェル投資家の皆様からの出資)を絶賛募集しております。衣服を着るようにロボットを身につけ、誰もが人生の最後まで自分の足で歩き続けられる社会を一緒に創り上げましょう。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答・フィードバック

中澤氏(コメンテーター):ありがとうございました。まさに今大注目のロボット工学の領域ですね。非常に軽量で扱いやすそうですが、1台あたりの価格や、今後展開される高齢者向けの生活支援型モデルにおけるコスト感や目標価格について教えてください。

橋本氏:ご質問ありがとうございます。現在販売している病院・施設向けの歩行練習用「curara」は、1台あたり174万9,000円(税込)となっております。今後はこれをリハビリ室の中だけでなく、一般の高齢者の方がご自宅や日常生活で気軽に使えるように展開していく予定です。その際には、膝関節のモーターやフレームを省いて股関節のみをサポートする構造に簡素化することで大幅なコストダウンを行い、電動車椅子と同じような数十万円台の価格帯で提供できるような製品開発を進めています。

中澤氏:なるほど、パーツを削ることで軽量化と同時にコストも下げ、電動車椅子の購入層に直接アプローチしていくわけですね。導入済みの病院などにおいて、このcuraraを使って練習することで、実際に歩けるようになるまでのリハビリ期間が劇的に短縮されるといった医学的な実証・データはあるのでしょうか?

橋本氏:現状としましては、このロボット単体の効果としてリハビリ期間の短縮などを医学的に完全に実証しているわけではありません。ただ、実際に装着して歩いていただくと、健常者の方の自然な歩行パターンに近い状態をロボットが再現してアシストするため、患者様が正しいフォームを身体で覚えながら、リハビリ訓練を非常に効果的かつ短期間で行うための強力なサポート機器となっています。病院のリハビリ室に1台導入していただくことで、複数の患者様に交代で装着していただき、日々の歩行訓練に活用していただいております。

中澤氏:ありがとうございます。すでに2.9kg、さらには2.3kgや股関節のみのタイプであれば1.9kgまで軽量化を達成されている点が素晴らしいですね。小児用ロボットのクラウドファンディングを含め、今後の事業化を応援しております。

橋本氏:ありがとうございます。長年の大学での研究成果をしっかりと社会に実装し、誰もが自立して歩ける豊かな社会を支えてまいります。