AI業界において、Anthropicがロボティクススタートアップ「Physical Intelligence」の買収を検討しているという噂が急速に拡散されました。この情報は週末にソーシャルメディアを通じて広まったものであり、現時点で正式な買収合意には至っていません。メディアの報道によれば、両社は今春に買収に関する協議を行っていたことが示唆されています。なお、Physical IntelligenceのCEOは、従業員に対してこの噂を否定するようなメッセージを送ったとされています。
Physical Intelligenceは、約2年前にLachy Groom氏や元Googleの研究者、スタンフォード大学およびカリフォルニア大学バークレー校の教授らによってサンフランシスコで設立されました。同社はこれまでに10億ドル以上の資金を調達しており、評価額は110億ドルに達すると報じられています。特に同社のロボット制御モデル「π0.5」は、ロボティクス研究において広く活用されており、高い技術力を有しています。
AI企業がロボティクス技術を求める背景には、超知能(superintelligence)の実現には物理世界の理解が不可欠であるという考え方があります。Anthropicはこれまで「Project Fetch」などを通じ、AIモデル「Claude」を用いたロボット制御の安全性テストを実施してきました。既存の専門チームを買収することは、ゼロからラボを構築するよりも迅速に能力を拡大できる大きなメリットがあります。
本件における具体的な買収条件や取引状況は非開示です。特筆すべき点として、Physical IntelligenceにはKhosla VenturesやThrive Capital、Founders Fundといった著名な投資家のほか、競合であるOpenAIも出資しています。OpenAIが将来的な買収に対する権利などを保有している可能性も指摘されており、物理世界での覇権争いに関連して今後の推移が注視されています。