私たちは、世の中にある様々なテクノロジーを用い、「人っぽいAI」というビジョンを掲げて自発的なAIを開発している東大松尾研発のスタートアップです。私を含めてもう1人の共同創業者である宮本も、コンピュータサイエンス、特にAI領域のアカデミックなバックグラウンドを持つ2名で創業いたしました。現在、ちょうど3期目が始まったばかりのフェーズです。
私たちが目指すのは、ホワイトカラーの皆さんの業務のうち、「判断は人に残しつつ、行動はAIへと分業する世界」です。イメージとしては、椅子に座ってひたすらハンコを押し続けているステレオタイプな部長のような役割だけを人間に残し、その前後の実務や行動はすべてAIが引き受けるという世界線です。
例えば、採用候補者からメールが届いた際、AIが過去のやり取りや要件を汲み取って返信のドラフトを用意します。人間は、スマートフォンの画面でそのドラフトをスワイプ(ジャッジ)するだけで送信が完了します。コードレビューや事務作業など、あらゆるホワイトカラー業務が「1画面上でひたすらジャッジをし続けるだけ」で終わる。それが私たちが構築しようとしている未来です。
現在主流のChatGPTなどは、私たちが指示(プロンプト)を出さないと動いてくれない「受動的なAI(支持待ちAI)」です。これでは人間が毎回コピペや指示をする手間が省けません。一方で、私たちの考える「自発的なAI」は、メールを受信した瞬間に状況を汲み取り、送信一歩手前の状態まで仕上げて「これでいいですか?」と人間に確認を求めます。
これまで、競合サイトの価格変更、規制情報の更新、入札情報のチェックなど、人間が毎日手動で巡回していたWeb上の情報収集を、大規模言語モデル(LLM)を用いた自律システムが安価かつ半永久的に代行します。
使い方は非常にシンプルです。監視したいURLと、そこから得たい情報(例:「ヤフーニュースのページから、左上の最新ニュースを取得してください」など)の2点だけを設定します。初期設定としてわずか30秒の時間をいただければ、あとはWebページに変化があった時だけ、AIが自動で情報を抽出・分析し、Slack、Teams、またはメールで通知します。
また、官公庁や自治体の「入札情報のモニタリング」でも効果を発揮しています。単に新着情報を集めるだけでなく、AIが「個々の企業にとって本当に有益な情報か」をパーソナライズしてフィルタリングします。例えば、建設企業に対して不要な人材系入札情報を排除し、自社に合致した案件のみを自動判別して通知することが可能です。
すでに延べ70名弱のユーザーの皆様に、400近くの監視対象を登録いただき、モニタリングを進めていただいております。
スレアの最大の特徴は、人間が介入するのが「最初の30秒の初期設定のみ」である点です。通知が飛んできた時以外、ユーザーはアプリケーションの管理画面にログインする必要すらありません。そのため、一般的なSaaSのようにユーザーのログイン率(アクティビティ)を追うのが難しく、効果実感を得ていただくためにカスタマーサクセスが効果検証をしっかり行うアプローチを取っています。
正式リリースして間もないため、継続率(チャーンレート)の完全な統計はこれからですが、現時点でチャーンは発生しておらず、機能面でも非常に前向きなフィードバックをいただいております。
現在、プレバリュエーション6.2億円で、総額1.6億円規模のシードラウンドの資金調達を進めております。間近に迫ったラウンドクローズに向けて交渉を重ねており、本日もジャカルタにて現地のVCの皆様と面談を行っております。
さらなるスレアのユースケース開拓や顧客紹介、協業パートナーを探しております。また、東大松尾研発の技術力と、私たちの描く「自発的AI」の世界に共感いただける投資家の皆様とのつながりを熱望しております。よろしくお願いいたします。
島澤氏(コメンテーター):渡邉さん、ピッチありがとうございました。非常に面白く、注目度の高い領域ですね。スレアはいつリリースされたのですか?
渡邉氏:ベータ版を昨年の9月にリリースし、今月の頭から正式版としてローンチしております。
島澤氏:すでに有料化もされているのですか?また、70名弱のユーザーのうち、有料課金されている方はどれくらいでしょうか。
渡邉氏:はい、すでに有償で提供しております。現在の有償ユーザーの比率はおおむね2割程度となっております。
島澤氏:なるほど。スレアは初期設定さえしてしまえば、あとはユーザーが何もしなくてもSlackやメールに変更通知が飛んでくるため、管理画面へのログイン(アクティビティ)が発生しないのですね。継続率(チャーン)や満足度についてはどうでしょうか。
渡邉氏:おっしゃる通り、通知が来て初めて価値を感じる性質上、アクティビティが目に見えにくいのが特徴です。ですので、カスタマーサクセスが裏側で効果を確認する運用を行っています。チャーンは現時点で発生しておらず、ユーザー様からは「こういう連携機能が欲しい」といった前向きなご要望を多くいただいております。
島澤氏:AIエージェントやブラウザ自動化の領域は非常にホットですよね。将来的に、様々なアプリと裏側で繋がって、ユーザーは「OK」「NO」とポチポチ承認するだけで仕事が進むような世界観を目指すイメージでしょうか。
渡邉氏:まさにその通りです。ユーザー自身の特性やキャラクターをAIが学習していき、ユーザーの意図を汲み取って自発的に動き回るAIエージェントの世界を構築してまいります。
島澤氏:技術力の高い東大松尾研発ということで、今後のドライブを非常に期待しております。応援しています。ありがとうございました。
渡邉氏:ありがとうございました。がんばります。