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📊 Event Report

【Return Helper株式会社】越境ECの「国際返品」コストを劇的に削減!世界17カ国で現地返品・リコマースを一元管理する「Return Helper」

VENTURE PITCH ONLINE
2025/08/21
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返品率20%・返送料1万円の壁。越境EC事業者の利益を圧迫する「返品」の深刻な課題

皆さん、よろしくお願いいたします。Return Helper株式会社日本・アジア地域ジェネラルマネージャーの柴田駿平と申します。

私たちは、アジアの越境EC(電子商取引)事業者に特化し、海外販売における「国際返品」の課題を解決するワンストップサービスを提供しているスタートアップです。アジアにいながらにして国境を越えてEC販売を行う越境EC市場は、現時点で既に巨大ですが、今後もさらなる拡大が見込まれており、2032年にはグローバルで1,100兆円を超える超巨大市場に成長すると予測されています。

現在、越境ECの主要な販売先はアメリカやヨーロッパなどの欧米市場です。欧米には「購入した商品はいつでも気軽に返品できる」という文化が完全に定着しており、越境販売を行う上で返品対応の構築は避けて通れません。

実際に、欧米市場におけるECの返品率は平均して20%を超えています。この結果、2032年には越境ECだけで発生する世界全体の返品総額が57兆円規模に膨らむと試算されています。

越境EC事業者にとって、返品伴うコストは非常に深刻な死活問題です。例えば、アメリカの購入者から日本へ荷物(日本でいう100サイズ程度)を送り返そうとすると、国際返送料だけで約1万円もの高額なコストが発生します。多くの場合、この返送料は販売者(マーチャント)が負担しなければならず、利益の多くが返品コストで吹き飛んでしまいます。さらに、長距離の国際返送は配送状況のトラッキングが難しく、購入者に対する迅速な返金や対応が遅れ、顧客満足度が著しく低下するという悪循環に陥っていました。

世界17カ国・22倉庫の強み。AIによる検品・現地再販(リコマース)でコストを最大削減

これらの課題を劇的に解決するのが、私たちの国際返品一元管理ソリューション「Return Helper(リターンヘルパー)」です。

従来のプロセスでは、返品が発生するたびに海外からアジアの自国へ商品を国際返送していましたが、Return Helperを利用すれば、販売先の現地国内で返品を一時的に受け付けることができます。これにより、国際返送に関わる時間とコストを大幅に削減し、迅速な返金処理を通じて購入者の満足度を飛躍的に高めることができます。

私たちのサービスは、現在世界17カ国に22箇所の提携倉庫を構えており、これらを一元管理できるクラウドソフトウェアを提供しています。越境ECの主戦場であるAmazonやeBay、Shopifyなどのグローバルプラットフォームに完全対応しており、欧米主要国のほぼすべてをカバーしています。

現地倉庫に返品が届くと、以下のプロセスで効率的に処理されます。
第1に、AIを活用した迅速なインテーク(検品)です。配送ラベルに記載されている宛名や住所などの情報をAIが自動で読み取り、システムへ即座に反映します。
第2に、現地での「リコマース(再販・現金化)」の強力なサポートです。倉庫に保管された返品商品を日本へ送り返すのではなく、AIが販売先の現地市場における最適な再販経路をレコメンドします。

私たちは再販可能性を判断するための現物の高解像度画像や、配送割引メニューを提供しており、現地での再販(Amazon FBAへの再納品など)、現地リサイクル、あるいは現地での廃棄処分まで、マーチャントの要望と商品のコンディションに応じた最適な処理を選択できます。これにより、毎月の返品商品のうち8割以上を現地でリコマース(現金化)することに成功しています。

また、最近増えているShopifyなどを利用した自社D2Cブランド向けには、購入者が自分で返品申請を行い、返送用の配送ラベルを自動取得できるセルフサービス型の無料返品アプリも提供しており、返品受付業務の完全自動化(セルフサービス化)を実現しています。

1200社突破のグローバル実績。日本の高単価マーチャント開拓でさらなる可能性を追う

私たちのビジネスモデルは、毎月全世界で約7万件の返送品を受け取っている実績に基づいています。1返送品あたり10米ドルの手数料をいただき、そのうち26%が私たちの粗利益となるモデルです。

現在、全世界で約1,200社の有料契約マーチャント(ペイドユーザー)を抱えており、返送処理数は月次で平均2%のペースで安定成長しています。全返送品のうち、約7割が最大のEC市場である米国向けとなっています。

これまでは中華圏の事業者をメイン顧客として成長してきましたが、直近の1年で日本および韓国市場への本格参入を果たしました。特に日本市場は、昨年夏に活動を開始したばかりであるにもかかわらず、すでに60社以上のマーチャントを獲得しています。

日本から越境ECで販売されている商品は、伝統工芸品やブランド品、高性能デバイスなど比較的「高価格帯」のものが多いため、1品あたりの返品にかけられる許容コストが高く、結果としてReturn Helperに支払われる手数料単価も高くなる傾向があります。日本は非常に高い収益性とポテンシャルを秘めた市場であり、今後さらに注力していく予定にございます。

私たちの強みは、eBayなどのグローバルプラットフォームや国際物流・ERP業界に深く精通した創業チームにあります。創業者ロイ・ヴァンをはじめ、私自身もeBay Japanで12年間越境EC事業に携わった後、GOATグループなどで日本事業の立ち上げを率いてきた経験を持っています。この専門知識とネットワークを結集し、世界中のマーチャントに欠かせない返品インフラとして成長を加速させてまいります。

質疑応答・フィードバック

コメンテーター(森氏):柴田さん、非常にピンポイントで、かつ越境EC事業者にとって最大のペインポイントである「返品」に特化した解像度の高い素晴らしいプレゼンテーションをありがとうございました。私自身、越境EC支援企業の社外取締役を務めていた経験があるため、この国際返品という課題がどれほど深刻か、我がことのように理解できます。

質問ですが、現在アジアの事業者に特化して展開されているとのことですが、中国、日本、韓国、アセアンなど、国別のクライアント構成(ポートフォリオ)や、今後特に注力する市場はどこになるのでしょうか。また、D2Cなどのマーチャントへ直接アプローチするのか、あるいはEC支援業者と連携するのか、営業展開の目線についても教えてください。

柴田氏:ご質問ありがとうございます。
まず、クライアントのポートフォリオにつきましては、現状では約6割強が中華圏(中国・香港・台湾)の事業者様で占められています。やはりグローバルで越境ECのインフラとして大きくスケールするためには、世界最大の輸出大国である中国市場を抑えることが長期成長において必須であるため、このような構成になっております。

その上で、日本と韓国は直近の1年で参入したばかりの新しい市場であり、今後最も注力して開拓を進める領域です。さらに今年はオーストラリア市場の開拓にも着手しており、順次カバーエリアとマーチャントを開拓していきます。

ターゲットへのアプローチ方法ですが、直接マーチャント(D2Cブランド等)にアプローチする手法と、周辺のEC支援業者様とアライアンスを組む手法の両方を行っています。
ただ、越境EC事業というのは、各社が売れ筋商品や物流ノウハウなどの情報を秘匿する傾向が強く、表立って「越境ECをやっています」と公表している企業は多くありません。そのため、アタックリストを作ってアウトバウンド営業をするのが非常に難しい業界です。

したがって、私たちの基本戦略としては、AmazonやShopifyなどのプラットフォーム事業者様、あるいは各プラットフォームの公認パートナー(支援業者)様と深く連携し、そこから返品課題を抱えるマーチャントを紹介していただく形をメインとしています。将来的には、口コミやアプリストア経由で自発的に導入される「プロダクトレッドグロース(PLG)」の確立を目指しています。

森氏:なるほど。情報の隠蔽性が高い業界だからこそ、プラットフォームやパートナーとのアライアンス経由で獲得し、PLGに持っていく戦略は非常に合理的ですね。

越境ECは今後も確実に成長する市場ですし、1事業者では解決が極めて難しい「現地での再販(リコマース)」や廃棄・リサイクルのスキームまで一気通貫で提供されている点も、マーチャントにとって非常に魅力的です。今後の成長を大変楽しみにしています。ありがとうございました。

柴田氏:ありがとうございます。越境EC事業者の皆様の頼れるパートナーになれるよう、グローバルでさらに倉庫網と機能を拡大してまいります。