音楽ストリーミングサービスを手掛けるSoundCloudは、分散型音楽プラットフォーム「Nina Protocol」を買収したことを発表した。Nina Protocolは独立系アーティストがファンと直接つながり、収益の100%を維持できる仕組みを提供していたが、持続可能なビジネスモデルの構築が困難となり2026年5月28日にサービスを終了していた。なお、今回の買収金額およびNinaのチームがSoundCloudに合流するかどうかについては現時点で公表されていない。
Nina Protocolは、2021年に独立系ミュージシャンのJack Callahan、Mike Pollard、Eric Farberによって設立された。同サービスはSolanaブロックチェーンを活用した高速かつ低コストな取引と、Arweaveによる音楽ファイルおよびメタデータの永続的な分散型ストレージを特徴としていた。従来のストリーミングプラットフォームに依存せず、アーティストが独自のデジタルストアフロントを運営できるプラットフォームとして注目されていた。
SoundCloudは今回の買収により、Nina Protocolが保有していた膨大な編集アーカイブや「ジャンルマップ」を取得する。同社はこれらを活用することで、音楽ジャーナリズムやアーティストの特集、文化的な解説といったリソースを継承し、新進気鋭のアーティストや多様な音楽シーンをより多くのリスナーに届ける狙いがある。また、SoundCloudはNinaを利用していたアーティストに対し、自身のプラットフォームへの移行ツールを提供するとともに、年内までSoundCloud Artistサブスクリプションを無償提供し、収益化やファンベース拡大を支援する方針を示している。
本取引の金銭的な条件は非開示となっている。SoundCloudによる音楽関連企業の買収は、音楽発見機能の向上を目的とした2022年のAI音楽企業Musiioの買収以来となる。SoundCloudのCEOであるEliah Seton氏は、Ninaが培ってきた独立系アーティストやコミュニティへの敬意を表しつつ、アーティストが持続可能なキャリアを構築できるツールや環境を今後も拡充していく意向を表明した。