皆さん、よろしくお願いいたします。株式会社Teach代表取締役の中庭英雄と申します。
私は、奈良県の非常にのどかな田舎にある通信制高校の教員からキャリアをスタートしました。その学校の生徒の8割はいわゆるヤンキーか、あるいは引きこもりのお子さんたちで、みんな爆音のバイクで通学してくるような賑やかな環境でした。彼らと深く向き合う中で、多くの生徒が進学も就職も決めずに卒業していってしまう現実を変えたいと考え、大学在学中から高卒生の採用支援プログラムなどを立ち上げました。
その実績を評価していただき、厚生労働省の「地域若者サポートステーション(サポステ)」事業を任され、地域のニートや引きこもりのお子さんたちの労務相談施設を運営してきました。その後、株式会社キャリアアシストシステムを起業し、労務コンサルティングや人材紹介事業を展開。これまでに約600社のクライアント企業をご支援させていただくまでに成長いたしました。
こうしたキャリアの中で、私が「親と子供の教育関係」に深く切り込む新規事業として立ち上げたのが、この家庭学習伴走アプリ「Teach(ティーチ)」です。
私がこの事業にかける思いの背景には、自身の非常に苦い実体験があります。
小学生の頃、奈良の田舎で友人に恵まれて非常に楽しい日々を送っていたのですが、中学受験への挑戦を機に生活が一変しました。学校が終われば大阪の進学塾へ1時間かけて通い、夜遅く帰宅してそこから宿題をこなす。休日は朝から晩まで塾でテストを受け、起きてから寝るまで勉強漬けの毎日を送りました。
その結果、心も体も極限まで疲弊し、成績や勉強のことで親から激しく怒られる日々が続きました。小学校の後半からは親と一切まともな会話ができなくなり、最終的には17歳で家出をして、その後10年間にわたって親と再会できないという深刻な「家庭崩壊」に至ってしまいました。
今、日本の「中学受験」は異常なほどに過熱しています。少子化で子供の数は減り続けているにもかかわらず、中学受験の受験者数は「9年連続で増加」しており、大都市圏では過半数以上の小学生が受験に臨んでいます。その受験動機は、「地元の公立中学校に行かせたくない」といった親の些細な不安から始まっていることが多いのですが、この過熱化によって、かつての私のように親子関係が修復不可能なほどに悪化し、家庭崩壊に至るケースが全国で多発しています。
本来、家族の幸せとは、家族同士が仲良く笑顔で過ごせることのはずです。子供の将来を思って始めた中学受験が、家族の絆を引き裂く原因になってしまっている現状を、私たちはテクノロジーと新しい仕組みで解決したいと考えています。
現在の日本は、核家族化と共働き率の上昇が急激に進んでおり、親が子供の家庭学習に毎日つきっきりで伴走することは物理的にも精神的にも極めて困難です。
そこで役に立つのが、私たちの提供する家庭学習伴走アプリ「Teach」です。
保護者や生徒様にとっては、現在の勉強の悩みや志望校、相性の良さそうな指導スタイルや性格といった条件から、自分にぴったり合った先生をアプリ上で簡単に検索し、その場ですぐに授業を1回単位で予約・決済できるシステムです。一方、大学生や社会人の先生にとっては、自分の空き時間を有効活用し、得意な勉強を教えて即時に報酬を得られる「ギグワーク(スキマバイト)」のプラットフォームとなっています。
美容室を予約するホットペッパーや、料理を注文するUberのような感覚で、入会金も一切なく、必要な時に1回単位でスピーディに授業を依頼できるのが最大の特徴です。
現在、私たちは広告やマーケティングのコストを一切かけずに、口コミだけで「2,000名以上」の極めて優秀な先生の登録を獲得しています。現役の東大生や京大生、医学部生といった難関大生だけでなく、元大手進学塾の超有名プロ講師や社会人のプロ家庭教師といった錚々たるメンバーが集まっています。
これまでに3,000回以上の授業を提供してきましたが、授業後のユーザーレビュー平均は「4.97(5点満点)」と驚異的な満足度を維持しています。「E判定からの逆転合格を勝ち取れた」「Teachを見つけた瞬間にこれしかないと思った」という保護者様の声や、「家庭教師の仕事を諦めかけていたが、Teachのおかげでスキマ時間に大好きな指導を続けられている」という先生からの感謝の声が多数寄せられています。
子供の学習伴走という最も負担が大きくデリケートな部分をTeachの優秀な先生にアウトソースしていただき、親は子供をただ「信じて応援する立場」に回る。これにより、家庭の中に前向きで温かい「ポジティブループ」を取り戻すことができています。
私たちは、既存の家庭教師センターやオンライン教育サービスが行っている面倒な手続きや仕組みを「逆張り」で徹底的に排除しています。
従来のサービスでは、先生を登録させるために事前の面接や筆記テスト、マニュアル研修などを義務付けており、先生側にも週に何コマといったシフトの拘束を強いていました。これに対し、Teachは面接やテストを一切行わず、学生証や卒業証書の登録による「学歴確認」が完了すれば、すぐに自分の空き予定を入力して授業を受け付けられる仕組みを採用しています。
この圧倒的な「タイパの良さ」が、大学の実験や講義で日々忙しく、従来のバイトの固定シフトに入ることができなかった超優秀な理系難関大生たちに強く刺さり、爆発的な登録数の増加に繋がりました。
もちろん、面接や筆記テストを省くことによる指導クオリティや防犯上の懸念に対しては、システムで万全の対策を行っています。
生徒と先生のマンツーマン授業はアプリ内でオンライン接続され、その授業の様子はすべて自動で録画・録音されます。その音声データをAIに読み込ませ、コミュニケーションに暴言や不適切な指導がないかを自動でスクリーニング・分析しています。さらに、生徒と先生の「1回限りの単発契約」であるため、もし万が一相性が合わなければ、気まずい思いをして交代を申し出る必要もなく、次回から別の先生を気軽に指名して変えることができます。こうした「先生を気軽に変えられる流動性」と「AIによる監視・ハイタッチなカスタマーサポート」の組み合わせにより、これまでに大きなトラブルは一件も発生していません。
今後は、メイン層である中学受験生だけでなく、高校生の定期テスト対策や大学受験、さらにはITプログラミングや絵画といった「学校の勉強以外の学習」にもTeachのプラットフォームを広げていきます。
また、中学受験塾のフォローしきれない家庭学習の補完アライアンスや、勉強を教えるリソースを確保できない民間学童施設への「Teach先生プラットフォームの提供」など、B2B2Cの事業連携も積極的に仕込んでまいります。
私は、このTeachに自分のすべての人生を懸けるため、これまで運営していた一般社団法人の事業を100%事業承継し、さらにキャリアアシストシステムについても後継者への承継を進め、経営資源をすべてTeachに全集中させる決意を固めました。
すべての子供たちが、家庭環境や親の負担に左右されず、平等に夢を実現できる教育環境を創り上げてまいります。私たちのビジョンに共感してくださるVC・事業会社の皆様、ぜひお力添えをお願いいたします。ありがとうございました。
コメンテーター(福田氏):中庭さん、非常に思いの詰まった、そしてビジネスモデルとしても非常に無駄のない素晴らしいピッチをありがとうございました。私もかつて大学生時代に家庭教師事業の立ち上げに関わった経験がありますので、家庭学習におけるマッチングの難しさと、親の負担の大きさについては非常に共感できます。
質問ですが、マーケティング費ゼロで2,000人もの優秀な先生が集まっているというのは非常に驚きです。一般的な家庭教師センターは先生の獲得に膨大な広告費をかけていますが、なぜTeachにはこれほどの勢いで難治大学の理系学生や有名プロ講師が集まっているのでしょうか。中庭さんが分析している「先生側に刺さったコアルール」を教えてください。
中庭氏:ご質問ありがとうございます。
先生、特に難関大学の優秀な理系学生に最も刺さったのは、登録までの圧倒的な「タイパ(タイムパフォーマンス)の良さ」です。
理系の優秀な学生は、毎日の実験やレポート作成、講義でスケジュールが極めて不規則であり、一般的な家庭教師センターのように「毎週何曜日の何時に必ず行く」という固定シフトのアルバイトをすることが非常に困難です。さらに、登録のたびに対面面接や筆記テストを受けに行き、事前の研修動画を何時間も見せられること自体が、彼らにとって大きな機会損失となっていました。
Teachでは、面接や筆記テストを一切行わず、学生証や卒業証書の画像をアップロードするだけの「学歴確認」で即時に登録が完了します。自分の空いた1時間だけの予定をアプリに放り込んでおけば、親御さんから自動で授業申し込みが入ります。この「忙しい理系学生のスキマ時間に完全にフィットしたギグワークモデル」が彼らにとって唯一無二の魅力となり、口コミで一気に広がりました。
また、事前テストを省くことによる質の担保については、授業後の「保護者からのリアルなレビュー(口コミ)評価」を蓄積させることで解決しています。評価の低い先生には予約が入らなくなり、評価の高い優秀な先生に自然と仕事が集中する市場原理が働くため、テストをせずとも極めてハイクオリティな指導体制を維持できています。
福田氏:なるほど。面接や固定シフトという「面倒くささ」を極限まで排除したことが、時間のない優秀な学生のニーズに完璧に合致したわけですね。
もう一点、マンツーマンの教育現場では、見えない部屋の中で行われるため、先生の指導態度や生徒との相性によるトラブル、親御さんからのクレームがつきものです。これに対して、Teachではどのようにクオリティの管理やトラブル対応をカバーしているのでしょうか。
中庭氏:その点は、私たちが最もテクノロジーを投入してカバーしている領域です。
まず相性に関しましては、従来の家庭教師のように「一人の先生と契約し続ける」縛りをなくし、「入会金ゼロの単発契約」にしています。そのため、もし相性が合わなければ親御さんが気まずい思いをして交代を依頼する必要はなく、ただ次回から違う先生を予約すればいいだけという、高い流動性を持たせています。
そして安全管理と指導の質のチェックについては、すべての授業をアプリ内でオンライン録画・録音しています。そのすべての授業の音声データをAIテキスト解析にかけ、「先生の言葉遣いに問題はないか」「不適切なコミュニケーションが発生していないか」を自動でスクリーニングするシステムを実装しています。
もしAIによって異常が検知された場合や、親御さんからアプリを通じてアラート(相談)をいただいた場合は、私たちのカスタマーサポートが即座に録画データを確認し、返金処理や該当する先生への個別の指導・アカウント停止などの対応をハイタッチ(手厚い対面・個別サポート)で行います。この「AI監視とハイタッチサポート」の組み合わせにより、単発マッチングでありながら、従来の家庭教師センター以上の安全性と信頼性を担保しています。
福田氏:なるほど、全授業の録画・AI音声解析による自動スクリーニングと、トラブル時のハイタッチ対応ですね。これはB2Bの企業や、子供を預かる学童保育などの施設にとっても、非常に安心して提携を任せられる強固なシステムだと思います。
最後に、今回想定している資金調達やパートナーシップについて、具体的にどのようなVCや事業会社と巡り合いたいか、期待するシナジーを教えてください。
中庭氏:特に2つのパートナーとの出会いを求めています。
1つは、共働きのパワーカップル家庭などにネットワークを持つ「民間学童施設」や「子育て支援サービス」を運営されている事業会社様です。彼らにとって「子供に勉強を教える優秀な人材を確保し続けること」は大きな課題ですが、私たちの2,000人以上の先生プラットフォームを学童の学習時間帯にシステム提供することで、強力な教育コンテンツを追加していただくシナジーが生まれます。
もう1つは、そうした教育・子育て関連業界やB2B2Cの展開において、強力なコネクションや事業承継のノウハウを持つベンチャーキャピタル(VC)様です。
私はTeachに全集中するために、既存の労務・人材紹介事業の承継ロードマップを進めています。この経営の集中とB2Bの多角化を共に推進し、日本の教育のあり方をアップデートしてくださる投資家の皆様からのご連絡をお待ちしております。
福田氏:学童とのB2B2Cアライアンスや、既存事業の承継による経営全集中、非常に素晴らしい覚悟と戦略ですね。かつての家庭教師プレイヤーとしても非常に共感でき、将来性の高さを感じました。今後のTeachの飛躍的な成長を応援しております。ありがとうございました。
中庭氏:ありがとうございました。