皆さん、はじめまして。Zaimo株式会社代表取締役の古城巧と申します。本日は、AIネイティブな技術によって、誰でも簡単に高度な経営管理・プランニングを実行できるプラットフォーム「Zaimo.ai FP&A」についてプレゼンテーションをさせていただきます。
私たちは、企業の財務モデリング(事業計画策定)や、その計画に基づく予実管理、分析、レポーティングといった経営管理業務のすべてをサポートし、CFOや経営管理者の頼れる「右腕」となるAIエージェントの実現を目指しています。
チームの強みは、財務とAI・技術の高度な専門性の融合にあります。私自身、前職のベンチャーキャピタルをはじめ、経営コンサルティングファーム、証券会社などで10年以上にわたり、一貫して財務モデリングや経営管理の実務に携わってきました。エンジニアにはスタートアップや上場企業でCTOを経験した井上が就き、AI顧問には東京大学松尾研究所の取締役であるキムが参画し、強固な開発体制を築いています。
当社は現在3年目を迎えたシードステージのスタートアップです。これまでにデライト・ベンチャーズ様やディープコア様などから約1億円の資金を調達しており、直近ではグローバル・ブレイン様のアクセラレータープログラム「XLIMIT」に採択され、追加出資も決定しております。また、スタートアップエコシステム全体を巻き込むべく、経団連にも所属して活動しています。
現在、あらゆる企業において、金利上昇や外部環境の激しい変化に伴い、緻密なプランニングやKPI管理の重要性がかつてないほど高まっています。しかし、従来の経営管理業務には深い課題が残されたままです。事業計画の編集や余実実績の収集、比較、報告資料の作成には多大な時間と労力がかかり、業務は俗人化し、アジリティ(俊敏性)は極めて低いのが実態です。
世の中に多くの予実管理SaaSが存在していますが、それらのほとんどは「実績データの収集とインポート」に特化しており、肝心の「将来のシミュレーションやプランニング(財務モデリング)」に弱いという限界がありました。プランニングを高度化しようとすると、システム構造が複雑になり、UI/UX(操作性)が極端に悪化するという、深刻なトレードオフが存在していたのです。
私たちは、LLM(大規模言語モデル)の登場によって、この「詳細な管理」と「直感的なシンプルさ」のトレードオフを解消できると確信しました。AIネイティブなプラットフォームを今、構築することで、グローバルなデファクトスタンダードを奪いに行きます。
海外では現在、経営層から事業部門の現場までを一気通貫で繋ぎ、全員でプランニングや意思決定を行う「XP&A(Extended Planning and Analysis)」という概念が急速に普及しています。
Zaimoは、まさにこのXP&Aを日本で実現するためのソリューションです。特に私たちがメインフォーカスしているのが、部門数が分かれ、管理が複雑化し始める「中規模(ミッドマーケット)企業」です。
Zaimoのシステムを使えば、会計仕訳データなどのCSVファイルをアップロードし、部門列や「タグ」列を指定するだけで、自動的に部門別・商品区分別の管理会計データベースが構築されます。
事業計画を作成するインターフェースは、誰もが使い慣れたExcelに酷似したグリッド形式を採用しています。操作感はExcelそのものですが、裏側はすべて堅牢なデータベースとシステムで統合されているため、関数エラーでデータが壊れる心配はありません。複雑なビジネスモデルのロジックツリーも、画面上でシンプルに表現・シミュレーションが可能です。
当社の最大の強みである「AI財務モデリング」機能についてご紹介します。
ユーザーがAIエージェントに対し、チャット(自然言語)で「いつからいつまでの期間で、〇〇のビジネスモデルの事業計画を作りたい」と伝えます。するとAIは、100種類以上の業界・ビジネスモデルテンプレートの中から、その企業に最適なビジネスロジックを瞬時に提案します。
ユーザーがそれを選択し、「1年後の売上目標を1億円にする。ターゲットとするSMB向け単価は〇〇、エンタープライズ単価は〇〇にする」といった基本条件を設定すると、AIが残りの必要パラメータ(顧客獲得ペースや解約率など)を逆算し、整合性の取れた事業計画をわずか数秒で自動的に下書き入力してくれます。
もちろん、入力された数値はExcelライクな使い慣れた画面上でユーザーが自由に微調整(チューニング)できます。
今後は、財務計画の自動生成だけでなく、経営状況を可視化するダッシュボードの自動カスタマイズや、計画と実績のズレを分析して改善策を提示する「余実分析レポートの自動生成」まで、経営管理エージェントができる業務領域を順次拡大してまいります。
私たちのGo-To-Market戦略は、非常に明快です。
まず、スタートアップや小規模企業に対しては、フリートライアルから始めて段階的に価格を「0円(無料)」に落としていく方針です。起業直後のスタートアップの多くは、スプレッドシートやExcelの無料テンプレートで事業計画を作り始めますが、それが後にカオスな「Excel地獄」を生み出す元凶になります。私たちは、「計画を作るなら、最初からExcelではなくZaimoを0円で使えばいい」という認知を広げ、デファクトスタンダードを面で抑えに行きます。
そして、部門別会計や複雑な組織間管理が必要となる中規模以上の企業から、アカウント数やデータ容量に応じて「月額10万円〜100万円以上」のサブスクリプションモデルでしっかりとマネタイズを行います。
さらに、Zaimoはベンチャーキャピタル(VC)やCVCの皆様にとっても強力なソリューションとなります。
VCの皆様は、数十社から数百社に及ぶ投資先の予実管理を行っていますが、各社から提出されるスプレッドシートのPLや計画書のフォーマットは完全にバラバラで、状況を網羅的に把握することに多大な手間を要しています。
Zaimoを導入すれば、投資先ごとの独自の売上・コスト構造(ロジック)を許容しつつ、インプット前提(パラメータ)やサマリーPLの共通レイアウトを「半標準化」して一元管理できます。VCのレビュアーは、スプレッドシートを何十枚も開くことなく、Slackのチャンネルを切り替えるように、同じフォーマットで投資先各社の健全性を瞬時に可視化・可読できるようになります。この利便性により、VC側から「計画策定や報告はZaimoを使ってくれ」と投資先にZaimoの利用を促すバイラル・力学が働き、エコシステム全体へと急速に浸透していきます。
グローバルでの経営管理ソフトウェアの潜在市場は15兆円規模に達します。いまだにExcelがデファクトスタンダードであり続けるこの巨大な未開の領域において、私たちはAIネイティブなエージェントとして世界基準を奪取します。
来年前半には、プレシリーズAとしての資金調達を予定しております。ご関心のある投資家の皆様、ならびに経営管理の効率化・高度化を目指す企業の皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。ありがとうございました。
コメンテーター(富山氏):古城さん、ありがとうございました。かつて私たちがソフトバンクのCFOや経営管理の実務をしていた頃は、本当にまっさらなExcelを開いて、手入力でシコシコと複雑な財務モデルを組んでいました。あれは本当に大変な作業で、データの不整合が起きないよう神経をすり減らしていたのを覚えています。それがいよいよ、AIエージェントが自動でモデルを組み、逆算してくれる時代が来たのですね。非常に感慨深いです。
現在、ホームページなどを見ると、4,980円や9,880円といった月額プランが並んでいますが、この価格の違いやターゲットごとのアプローチについて詳しく教えていただけますか?
古城氏:ご質問ありがとうございます。現在設定している約5,000円と1万円のプランの最大の違いは、「数式や関数が入った状態のExcelファイルを直接ダウンロードできるか否か」という点です。上位プランのベーシック(1万円)では、Zaimoで組んだロジックをそのままExcel形式で吐き出すことができます。
ただ、この月額1万円前後の価格を「安い」と感じるか「高い」と感じるかは、その人が「経営管理業務の大変さを知っているか否か」というリテラシーに大きく依存してしまいます。経営の痛みを知っている人は「この機能で1万円は破格だ」と即決されますが、これから会社を作るビギナーは「スプレッドシートならタダだから、最初はExcelでいいや」となりがちです。
ですが、これが「Excel地獄」の始まりです。あとからデータを統合しようとしても、フォーマットが崩れ、属人化して手遅れになります。私たちはここを未然に防ぎたいと考えており、最終的にはこのスモール向けプランの価格を「0円(完全無料)」に引き下げる方針です。Excelを使うのと同じ感覚で最初からZaimoに入っていただき、世界中の計画策定データをZaimoで抑えにいきます。その代わり、部門別管理や高度な余実分析が必要になるミッドマーケット以上の企業から、月額10万円〜100万円のレンジでしっかりとマネタイズをしていくというビジネスモデルにシフトしていきます。
富山氏:なるほど。スモール層を無料化して市場を面で独占し、ミッド・エンタープライズの管理会計ニーズでマネタイズする。非常に合理的で正しい戦略だと思います。
もう一点、ホームページに「100以上のビジネスモデルに対応」とありますが、例えば私が代表を務める経営者クラブには、非常に特殊な資金繰りや「工事進行基準」などで売上とキャッシュアウトが大きくズレる建設業の社長なども多く在籍しています。こうした特殊なビジネスモデルにも対応できるのでしょうか?
古城氏:はい、対応可能ですし、順次対応を強化しています。
建設業における工事進行基準や、飲食業におけるFL比率(フード&レイバーコスト)など、業界特有の管理会計フォーマットやロジックが存在するのはこの領域の特徴です。Zaimoの強みは、裏側のアーキテクチャが「Excelで表現できるロジックであれば、ほぼシステム上で再現・自動生成できる」という柔軟性を持っている点です。
私たちは、AIエージェントが業界ごとのロジックの塊(モジュール)を自動で組み合わせて、各企業のビジネスモデルに最適化された計画モデルを作成できるようにしています。現在、直近のリリースとして、売掛金や買掛金の回転日数から運転資金(キャッシュフロー)を自動計算する機能を組み込んでおり、今後、建設業などの個別案件管理が必要なフォーマットもモジュール化して順次提供していく予定です。どのような業界であっても、ビギナーが地頭で数式を組むことなく、業界ベストプラクティスの計画が作れる世界を実現します。
富山氏:ありがとうございます。特にVCやCVCの立場から見ても、投資先数十社の財務データが同じ標準サマリーPLや前提パラメータシートで一元管理できるようになれば、チェック業務は劇的に効率化されます。VC側から「Zaimoを使ってくれ」と強制する力学が働くという指摘は、非常にリアリティがありますし、強力なグロースドライバーですね。来年前半の調達も含め、期待しております。
古城氏:ありがとうございます。経営管理のデファクトスタンダードとなるべく、全力で邁進します。