高知大学発のスタートアップであるKORTUC INC.(以下、KORTUC社)は、開発中のがん治療薬「KRC-01」について、英国およびインドで実施している乳がんの国際臨床試験において、目標としていた全184例の患者登録を完了したと発表しました。
「KRC-01」は、高知大学名誉教授の小川恭弘氏が考案した放射線増感剤です。本試験は、英国の世界的ながん研究機関であるThe Institute of Cancer Research(ICR)が主導し、英国6施設、インド4施設が参加しています。通常の放射線治療と、KRC-01を併用した治療を比較し、治療1年後の完全奏効率を検証する臨床試験です。
放射線治療は世界で年間1,000万人以上が受ける重要な治療法ですが、腫瘍内の酸素不足により放射線が効きにくい症例が年間約150万人存在すると推定されています。KRC-01はこの酸素不足を改善し、放射線治療の効果を最大化することを目指す革新的なアプローチです。日本国内での1,300例以上の臨床経験を経て、グローバルな開発段階へと進んでいます。
KORTUC社は現在、乳がんに加え、子宮頸がんや直腸がんへの適用拡大も進めています。今回登録が完了した試験の経過観察を行い、2027年に試験結果をまとめる予定です。同社はこれまでに累計約65億円の資金を調達しており、日本発の技術で世界市場での承認および上市を目指しています。